本日はコケリン番長の24回目の誕生日です。(番長おめでとうございます!)というわけで、今回は、番長特集!我らがポリスメン、コケリン番長の覚醒の謎をフィーチャー。少々長文だけど、俺は気にならない!何故ならヤツにはそれだけの歴史があるから!
Guardian
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最後のジョーカー
地元ハイバリーにオープンしたばかりの『Arsenal Hub』。この施設はローカルの人々の為に建てられた、人工芝のピッチや会議室を完備したコミュニティセンターだ。そのこけら落としに参加していたコケリンに、真新しいドレッシングルームの壁にサインを書いて欲しいとお願いしたところ、一瞬考えた後、ゆっくりと、そして丁寧な字でこう書き綴った。
「人生で一番大事な事。それは、決して諦めないこと」
コクランが初めてコルニーを訪れたのは、彼が17歳の時だ。アーセナルのトライアルに参加していた彼は、早速プロの洗礼を受ける。指示を聞かずにクリアしてしまったプロにも満たない青年に、レーマンの怒りに満ちた怒号が浴びせられた。
彼がここまで来るには幾多の試練があった。それは何度も折れかけた自分との戦い。しかしそれを乗り越え、今のコクランがある。
ほんの5ヶ月前、彼はチャールトンのマネージャーズオフィスにいた。ローンではあるが、ザ・ヴァレイでプレーする機会を得たためだ。監督であるボブ・ピータースは、コクランを深い位置のミドフィルダーとして起用しようと考えていたようだ。しかし、それからわずか5日後、コクランの元に一本の電話が入る。
「妻と一緒にソファでテレビを見ていたんですよ。そしたら電話がかかってきて。アーセナルからの電話でした。」
それはコクランの運命を変える電話。そう、アーセナルへの帰艦命令だった。コクランはヴェンゲルにとっての最後のジョーカーだった。
究極の脇役
アーセナルに戻ってからのコクランは、チームが長年探し続けていた答えを導き出した。全てはカソルラ、エジル、アレクシスの想像力、そして自らのインターセプト。コクランは語る。「もし僕が10%でも彼らの守備の負担を軽減出来れば、その分10%攻撃が出来るし、ゴールを決め勝つことが出来る。それが嬉しいですね」彼はあくまでもチームのバランスを考えプレーしているのだ。
「ジダンや、その他偉大な選手達がよく言ってたんですよ。マケレレを外すという事はチームの心臓がなくなるのと一緒だって」コクランは続ける。「このポジションでプレーする選手は、目立ちたいなんて思っていないと思うんですよね。自分の仕事をきっちりこなし後は他の選手に任せる。それが自分達の役目だと思ってます」
FAカップ準決勝、彼は途中交代させられてしまったが、スタンドがパニック気味のため息に包まれるほど、彼はなくてはならない選手となっていた。
衝撃のトライアウト
そんな彼だが、フットボールを初めたのは10歳の時。プロの選手としては決して早いとは言えない年齢だ。それまでは祖母の勧めで柔道をたしなみ、そしてテニスに明け暮れた。「大会準決勝でサーブが上手くいかなくって、負けてしまって、それでテニスを止めちゃったんです」そう振り返る彼は、その後友人に誘われフットボールを初め、球を蹴る喜びを知る。
そして、彼の住む西フランスで最も大きなクラブ、スタッド・ラヴァルで腕を磨く(正確には脚だが)。やがて、彼の母親はリーグ・アンからの数々の誘いをさばくことになるのだが、U17代表でプレーしていたところを、アーセナルのスカウト、ジル・グリマンディの目に留まり、アーセナルのトライアルに招待された。
彼はこの貴重な経験をこう振り返る。「リザーブでいい経験が出来ると思ったんすけどね。いきなり一軍だったんですよ。(フランス)代表のギャラス、サニャ、クリシーがいて、(場違い感に)ちょっとびっくりしましたよ。ここで何しろっていうのよ!?って」
そして冒頭で触れたような、レーマンからのキツイ洗礼を浴びる。「あの人、俺に厳しすぎるんすよ!何が起こったわかんなかったし」さらにエブエとファブレガスが蹴った蹴られたで大喧嘩している様子も目にした。「いやあビックリしましたよ。練習って毎回こんなんなの!?戦争だよ戦争!って」
期待していたのとは程遠い内容のまま、彼は帰国する。「この間学校をしばらく休んでたんですけど、みんな興味津々で色々聞いてきましたね。そしてある日、授業中に電話がかかってきたんですよ。そしたら見たことない+44(英国の国番号)だったんで出なかったんですけど、留守電が入ってたんですよね」それはボスからのメッセージだった。フランス人なら当然ヴェンゲルの声を知らないものはいない。「ハロー、フランシス。元気かい?」コクランは、目を丸くしたクラスの友人達に聞かせて回した。
試練
彼のデビュー戦は、2011年オールド・トラッフォード、あの忌まわしき「8-2」のマンチェスター・ユナイテッド戦だった。コロンビアで行われたU20から間もない彼は、緊急招集され臨んだ試合だった。試合後、敵将アレックス・ファーガソンには名指しでダメ出しまでされた。
「とても試合出来るようなチームじゃなかったですね。リザーブがプレーしていたようなもんだったすからね。正直どこから打っても入るような状態で。忘れたい試合の一つですよ」
ローンでの経験は、今の彼を語る上で欠かせないものだ。特に「とてもタフだった」と大きく息を吐いたのは、ドイツのフライブルクで過ごした一年だ。
「とにかく監督にハマらなかったんですよね。左右のウィングしかやらせてもらえなくて、全然自分のポジションで使ってもらえなかったんですよ。監督の所には何回も行きましたよ。お願いじゃなく直談判しに。とにかく一度でいいから真ん中で使ってくれと。それでダメなら代えてもらっていいからって。でも全然ダメでしたね。一度もチャンスを貰えなかった」
シーズン途中の休暇から戻ってくると、事態はさらに悪化する。「フレンドリーマッチですらサブでしたね。最後プレーしたのはドイツ二部のクラブとの対戦だったんですけど、ハームタイムの時点で5-0で負けてて、それで後半から自分が入って1点は入ったんですけど、結局5-1で負けて。
試合後のミーティングでもチームの事よりも、ボクのことばかり責めるんですよ。もう我慢出来なくって、その後アーセナルに戻してくれと監督に言いに行ったんですけど、それは出来ない。お前もメンバーにカウントしてるからって言われて。で、その後は1ゲームもプレーさせて貰えませんでしたね」
監督には干され、住み慣れない国で孤立してしまったコクランは苛立ち、失望した。しかし、そこで彼は彼なりの答えを見つけ出す。「メンタル的にはほんとキツかったです。でもある時悟ったんですよ。ウダウダしていてもしょうがないって。プレー出来ないのはしょうがない。いや、プレーなんてしなくていい。今は来季のアーセナルの為にトレーニングしようって」
大いなる挑戦
コクランは守備的MFとしては決して大柄な選手ではない。しかし、彼の頑丈な精神力とスタミナは、それを補って余りある強さを備えている。そして契約の延長は、ここ最近で魅せた彼の闘いっぷりが高く評価された証だ。
「オールド・トラッフォード、あーれはヤバかったすね」彼はニコリと笑った。「シティ戦もデカかったすね。多分みんなこう思ってたと思うんすよ。コケリンが真ん中?シティ戦で!?って。でも2-0で勝っちゃいましたからね」
彼がアーセナルに復帰してからの仕事っぷりは言うまでもない。そして最近のアーセナルの目を見張るような躍動は、一歩ずつリーグタイトルに近づいていると言ってもいいだろう。
「来シーズンこそはタイトルに挑戦したいし、その為に闘いますよ。今までTOPの選手がチームを去っていってしまったのはやはり、クラブに魅力がなかったのかなと思います。でもサンティさんを獲得して、これがファーストステップになりましたね。みんな憶えてますよ、サンティさんと一緒に初めてトレーニングした時の事を。他の星から来たんじゃないかって思いましたもんね。もしフットボールがあまり好きじゃなくても、彼をみたら絶対好きになると思いますよ。それとエジル君がターニングポイントでしたね。凄い選手がみんなアーセナルでプレーしたいと思ってくれる。これも今のアーセナルだからですよ」
いかがでしたでしょう、波瀾万丈、番長の半生。
今でこそ涼しい顔で、さくさくっとピッチを駆けまわっている番長ですが、園長時代こんな苦労してると思いませんでしたよ、マジで。。。特にドイツのヤツ!
そいえばドイツのトレーニングは厳しくて有名らしく、12km走やインターバルトレーニング、そして川岸で1000mを12本とか、まるでバブル世代の高校サッカーの永遠ダッシュにも似た生き地獄感。さらにそれから筋トレもやってたっていう話ですから、完全にレスラーのそれで、それ以来怪我をしなくなったというのもうなずけますけど、俺なら疲労骨折どこの騒ぎじゃないよ。
でも、ほんと、今の番長があるのは、その園長時代の試練を乗り越えたからからであり、なんの前触れも無く、突然覚醒したとばかり思ってた俺は悔い改めます。
やはり、人知れず努力している人間は最強!
それと番長、結婚してたのな?・・・しかも、一説には子連れの人だとか。。。気づいてなくてさーせん!やっぱ守るもんが出来た人間は強いよ。
また自らを「完全な脇役」と言い切る番長の心意気たるや・・・。ゴールが決まった瞬間、決めた本人以上に歓びを爆発させる理由が、ちょっとわかった気がしますよ!
そして、俺は、さらに番長が好きになりました!
もちろん君もだね?ね!
じゃあ、今日から君もコケリニスト!
P.S
努力もせずに、そこそこTOPを張れているのは、ベントナ男爵だけ!
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コメント
そ、そんな!
男爵だってきっと!…ゴニョゴニョ
グッとくるものがありますね!
番長、これからのアーセナルは君にかかっている!
勇気をもらいました!
感動!
コケリニストになっちゃいます。
でもボスの使いすぎには気をつけてほしい。
猿さん読みやすい訳ありがとうございます。
やはりこういうエピソードは心にぐっときますね。
感動しました!
コクランの事をもっと好きになりました!
努力は報われると信じる事が大切ですね!
はじめてコメントさせていただきます。
ここでグーナーになった者です。
そして、コケリニストにまでして
いただき、ありがとうございます。
アレクシス神とのツーショットに
目頭が熱くなりました。
本日、クソユナイテッド戦ですね。
勝ってほしい!頼む!
「コクランは今季、覚醒した」というのは少し誤解で、本人の並々ならぬ努力と強い意志があったからこその、今季の活躍だったのですね。それは、昨季のラムジーの活躍然り。
このような選手はずっと応援したくなりますね。