Arsenal 2-1 FC Barcelona
UEFA Champions League, Emirates Stadium
Wednesday, February 16, 2011, 19:45
スターティング:
選手名についての説明はここをチェック♪
ボイチョフ係長
えでぃ ジュルー コッシー クリ坊
歌さん 少年ジャック
瀬尾君 キャプテン 斉藤さん
ファン・ペルシ
68 歌さん→黒シャビン
77 瀬尾君→ベントナ男爵
ゴール:
ファン・ペルシ 78, 黒シャビン 83 / Villa 26
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バス停を降り、スタジアムまでの道すがら、スタジアムの真上の雲に、まさにチャンピオンズのイメージ通り、あのライトが照射!
チャーンピヨーンズ♪
粋な演出で気分を高揚させてくれます。
そして上空を徘徊するヘリのノイズに、ビッグマッチであることを実感です。
まずは史上まれに見る、このような大一番の観戦権利、当然俺みたいなレッドメンバーの黄色いクソ猿なぞに与えられるわけないわけないのですが、
でも観ない訳には行かない。
何故なら、それがサダメだから。
運命と書いてサダメだから。
てなわけで、ありとあらゆる手段、発砲手を尽くし、なんとかチケットをゲトー(もちろん結構な値段)していたのですが、実際のチケはメンバーカードなので、試合当日その人から借りる事に。
ただし、ウルブス戦の後に一度、見かけはしわくちゃ60歳前後でも40代半ばに違いないお姉様(カモフラのパンツ履いてたし)とスタジアムで顔合わせをし、「それじゃあ当日」なんつって、握手をして別れ、人となりも確認。
とてもフレンドリーだし、信頼出来る!
というわけで、試合当日7時、人波をかき分け満面の笑みを準備しながら待ち合わせ時間にゲート前へ。
↓するとこんな輩もそこいら中に・・・。
ファブレガスがスペインの10番?違うよ!
アーセナルの4番だから。
さて待ち合わせ。
1分くらい遅れてしまい、とにかく申し訳ない気持ちで一杯になりながらも、キョロつきながら、チケを譲ってくださった「神」を探してみると、その神のお姿が見えません。
ああ、とにかく良かった。俺が待つ方がいいしな。
神様をお待たせするなんてありえませんからね。
5分経過、神様来ません。まあ、そうですよ。神様だもの。
10分経過・・・10分かあ・・・俺が早く来すぎたのかもな。そうに違いない!
20分経過・・・まあ、神様とはいえイギリス人だしな。。。ああでもアップの写真撮れねえな。。。ま、しょうがねえか・・・。
30分経過・・・あれ神様!あと15分で始まんぞ!?
まさか神様の身に何かあったのか?交通事故とかじゃないだろうな?大丈夫か!?と渾身の神様の身を案ずる俺。
40分経過・・・・・・・はっはうあっ!?
まさか、神、いや、あんのババア!バックレやがったんじゃねえのか・・・!?
そして19:45 運命のKick Off・・・。
怒号のような大歓声が、俺のいる場外までなり響いてきます・・・。
この間、散々電話やらメールをしても、なしのつぶて。。。
いや正確には一通だけテキストメールが。
「ゲートにいるから、ついたら教えて」
・・・。
「何度も教えてるでしょうがああああああ!!!!!!」
しかしゲート前には俺しかおらず。正確には俺と数人のまばらな人だけ。
その中には当然ババアはおらず、
確実にやられた。。。
このババア、おそらく俺よりも高く買ってくれる奴を見つけ、チケを横流ししたに違いありません。
でも唯一の救いは金をまだ渡していなかったという事で。。。
とはいえ、どこかにこのババアを「神」と崇める自分がいて、俺がゲートを間違っているに違いない!とか思ってみましたが、いくら眼を凝らしても絶対ここなハズで。。。
茫然自失阿鼻叫喚・・・。
俺に襲いくる今世紀最大最強のダズーンに意識朦朧意気消沈・・・。
とここまでは先日のレポでお話ししたかと思いますが、さて、ここからです。
何度も何度も、必至にな形相で携帯でババアに電話をしている姿を見ていた、そういえばさっきから隣にいた一人の背の高いスーツ姿のビジネスマン風の男が、俺に聞こえるか聞こえないかくらいの声で、ぼそっと一言つぶやきました。
「チケットいらないか?」
神キタコレ・・・。(涙)
俺は間違ってました。
神は携帯電波の向こうではなく、はたまたトイレの中でもなく、
俺のすぐそばにいたのです。。。
茫然自失阿鼻叫喚から一転、
家内安全極楽浄土!
しかし、俺は武士道の国ニッポンから来た戦士、ババアが現れなかったとはいえ、俺にミスがあるんじゃないか?とか、どうしても不義理に出来ないという事で、その人に「ちょっと待てくれ」と言い、何度もババアに連絡を試みました。
するとその間に一人の男がそのスーツを着た神に近寄り「チケットあるの?」と聞いています。
「うん、あるよ。」と普通に答える神様。。。
はっ、はうあっ!?
その時、内心俺は「もう売れちゃえ!」と思いました。
そうすれば俺もあきらめもつくし、ババアへの義理も果たせるし。。。
※その後「義理」など全く必要なかった事が判明するんですがね。
するとその男、
「マジ!じゃあ売って!!」
「いいよ。」と平然に答える神様。。。
そらそうだよ。
神様にしたら売れりゃ誰だっていいわけですから。
俺も諦めかけたそのとき、その男の口から出た言葉は
「二枚欲しいんだけど。」
ああ~、神様、俺はなんて幸運な星の元に生まれたというのでしょう。
それに対し、神様が返した答えは
「一枚しかないんだよねぇ。。。」
そのやり取りの間も、ゲートの隙間からドッカンドッカン響き渡ってくる地響きのような大歓声。
キックオフから既に7分経過。。。
俺がババアに電話をかけまくっているその間も、買ってくれそうな人を捜してゲート前をうろつく神様。
しかし幸運な事にも誰も買い手が見つからなかったようで、再び俺のそばに戻ってきました。
そしてスチュワードから離れ、こそっと俺は神に言いました。
「神様それ俺に売って下さい。」
「もちろん。」
「いくらですか?」
「これはビッグマッチだから○○○ポンドだ。」
「○○○でどうですか?」
「OKOK!もうそれでいいよ!」
交渉成立!
ババアより30ポンドもよりも安いエリザベスを手渡すと、その背の高い神と一緒に、天空の席に一目散に駆け上がったのでした。
天空の席。
それはほぼど真ん中に位置する、全てが見渡せる、極上のそれ。
ローワーではありえないほどの神目線でピッチが見渡せるそれなのでした。< もう一度いいます。 神はネットの向こうでも、トイレの中でもなく、
あなたのそばにきっといるのです!(マジで!)
ただ、正直言うと、俺のライフワークである試合前のウォームアップを見逃したのはかなり痛いし、(むしろ試合記事の5割のウェイトを占めていたりするのは内緒)
なにより、あのアンセムが、チャンピオンズのアンセムの場に立ち会えなかったというのはぶっちゃけチャンピオンズの8割を見逃したと言っても過言ではないわけですが、
でも、こうして俺は奇跡的に、この「奇跡の場」に入る事が出来た。
「それだけで十分じゃないか、俺!」
というわけで、この試合、ウォームアップ、感動のアンセムレポはありませんので、皆様どうかお許し下さい。
というか、そんなの必要ねえですね。
愚問でした。
↓というわけで、これが世界100絶景の一つ「エミレーツ天空の席」。
最高DEATH…
いつもは、ローワー専門の猿ですが、こうやって神目線で試合全体が見渡せる事が出来るというのは、やはりこれはこれで最高です。
というか、正直毎回アッパーで観たいのは山々ですが、ぶっちゃけローワーよりも高いし、なにより戦場カメラマン風の猿としては、どうしても選手の息づかいやサポの熱がダイレクトに伝わってくるローワー狙いになってしまいます。
言い訳はこれくらいにして、さて、前半。
バルサを観て俺がいつも思うことなのですが、彼らのプレーは、フットボールのだだっぴろいピッチでまるでフットサルをプレーしているような感覚で、これが観てて面白い、ファンタジーと言われる所以なんでしょうが、やっぱやってる事がフットサルだから、フィジカルの弱さが異常。
軽く当たられただけでもすぐコケる。まるで紙相撲。
イライラさせるという作戦もあるんだろうけど、やっぱあんだけこけられたら選手もキレるってなもんで。
ジャックや斉藤さんも「なんだよおい!」になるよ、そりゃ。
これ観たら、プレミアがどんだけ戦争かってのがわかります。
しかしサルだけあって、とにかくバルサのプレッシャーがハンパない。
そしてパスの正確さに加え、前線への飛び出しも極悪非道。
バルサの一点目もこのふかんだ目線からは、確実にオフサイっぽくて、天空の神々からは怒りの怒声が鳴り響いていましたが、これもこのオフサイを全く恐れない飛び出しの賜物。
というか「飛び出し連発 数撃ちゃ決まる」という発想の元、徹底的にそれ狙いみたいな。
瀬尾君が「オフサイだろうがYO!」と詰め寄っても、まあ時既に遅し。
でも、これで最終ラインを上げるのが俄然怖くなりました。
こんだけポンポン飛び出されて、なおかつオフサイを獲ってもらえないとなると、こりゃあ死活問題。
1点目を献上した後、芸術的なバルサの球回しを眺めながら、とにかくえも言われぬヤバい雰囲気にスタジアムが包み込まれたのは、言うまでもありませぬ。
しかし「メイクミラクル」は後半でした。
明らかに失速したバルサ。とはいえ攻めあぐねるアーセナル。
運命の転機はボスの一声でした。
「歌さん下げて、黒シャビン!」
な、何故だ!?むしろ斉藤さんの方がアレじゃないのか?
と思ったのが、素人の考えだという事がわかるのにそう時間はかかりませんでした。
病み明けで疲れの見える斉藤さんを一枚後ろの位置に下げ、サイドに黒シャビンを配備。
さらには瀬尾君下げて、男爵投入。
何故だ!?という空気が俺以外に漂っていましたが、
この采配がドンピシャリ。
動きの出た左サイドからクリが放り込み、そこいたロビン、角度のないところからスーパーシュート。
バルデス一歩も動けず、そのままボールは吸い込まれるようにゴールの中へ。これで同点。
もちのロン、スタジアムドッカン!
もちろん取り乱しました。
取り乱して、狂喜乱舞、左右の見知らぬラッズと抱き合いました。
↓その衝撃映像はこちら。
取り乱してカメラが縦になっていたのでその続き
そしてそのわずか7分後、
奇跡は起きました。。。
ピッチに遺しておいた斉藤さん渾身のドリブル、からのー、
黒シャビン様へのドンピシャクロス、からのー、
弾丸ミドルドッカン!
負けるつもりはなかたっとはいえ、
この大逆転弾に狂喜乱舞を通り越してキチガエました。
発狂とはこのような事を言うに違いありません。
↓二点目の衝撃映像はこちら(閲覧注意)
神様仏様黒シャビン様、あざーす!!!!!!!!!!
その後押されまくるも、なんとか猛攻をしのぎきり終戦・・・。
終戦直後の映像。。。
勝った。
勝った・・。
勝った・・・。
負けるとは思ってなかったけど、
勝ったー!!!!!!!!!!
ジャッジに助けられた訳でも、相手に不利な状況だった訳でもなく、
俺たちの実力で、もぎとった勝利!
ありがとうガナーズ!
係長ながら、第四キーパーとは思えない身のこなしで、世界最強バルサを1点で抑えつけたボイチョフ
何度も何度も破られても、最後まで勇気と信念を持ってラインを上げ続けたコッシーとジュルー
ジュルーとラインの事で口論しながらも、最後の最後、素晴らしいクロスを供給してくれたクリ坊
途中下げられたものの、攻めと守りのバランスの核となってくれた歌さん
キックオフからホイッスルまで、献身的に動き続けてくれた一番の影の立役者ジャック
華麗な突破で、ソシオの前でイングランドのスピードスターここにありを魅せつけてくれたものの、途中交代を余儀なくされ、爆音を響かせながらスタジアムを後にした瀬尾君、その悔しさを是非カンプノウに!
病み明けにも関わらず、最後の最期まで闘志のみで走り続けてくれた斉藤さん
途中出場にもかかわらず、黒シャビン様のシャツを頭にかぶるゴール後のパフォーマンスで、前が見えない黒シャビン様が「Uni credit」の看板にぶつからないよう先導してださった、ホスピタリティ溢れる高貴な男、ベントナ男爵
サニャから200%、俺からは10000%のサポートを受け、ダイブも控えめに闘い抜いてくれたMr1000%、えでぃ
「ガラスの脚」と共に、永い永いトンネルを抜け、この大一番でデカイ仕事を成し遂げてくれた不撓不屈のストライカー、ロビン、
絶不調の今シーズンも、最後の最後、あの小さい身体で一番デカイ仕事を成し遂げた黒シャビン、
そして試合に出れなくとも、ベンチで盛り上げるという一番の大役を引き受けてくれたロッシー、スキラッチ、デニー、ギプス、皇帝アルムニア
運命のバルサ戦、命を削りながらチームを先導してくれた俺たちのスキッパー・ファブレガス
奇跡のメンバーチェンジで我々を勝利に導いてくれた我らが誇り高き神、ヴェンゲル、
勝利を信じ各地から駆けつけてくれたピレスをはじめとしたアーセナルのレジェンド達、
そしてこのエミレーツで「見違えるホーム」を演出してくれたグナーな奴ら。
技術力、組織力、金銭力、どれをとってもバルサには敵わないアーセナルかもしれないけど、
俺たちにはどこにも敗けない、補って余りある結束力がある。
「Victoria Concordia Crescit」
この結束力がある限り、俺たちは敗けない。絶対に。
最後は歓喜のピッチでお別れです。
And it’s Arsenal!
Arsenal FC!
We’re by far the greatest team!
The world has ever seen!
P.S ババア続報
試合後「俺をだまさねえでください!」とこのババアにテキストをしたところ、
「あんたが来なかったんじゃないの!」と逆切れされました。
いや、俺そのゲートの前に試合始まってもいましたけど・・・。
それでも俺はババアを許す!
今日だけはそういう日!
だからチャビのいい訳も許す。
そしてついでに、そのチャビとメッシのシャツをゲットし、
その喜びをツイートしたジャックも許す!!!!
帰り際、まだ煌々明るい天を仰ぎながら、そっと目を閉じ、「エミレーツの神様」に十字を切ったのでした。
俺、仏教だけど。
コメント
更新お疲れさまです!andお待ちしておりました!笑
ロンドンはお祭り騒ぎだったと聞きました。
次はスペインに乗り込んで、ガナ旋風を巻き起こして下さい!!
最高の臨場感ありがとうございます。
「勝利は調和の中から生まれる」正にふさわしい試合でしたね。
この戦いがカンプノウで報われますように・・・。
初めまして、ですが、ほぼ日参しております
素晴らしい試合の臨場感!お裾分けありがとうございます!ほんと嬉しいです。
いつも、試合後は猿さんのブログで笑わせて頂きましたが、
今回は感動して!また涙腺がウルッ…
ジャック、キャプテンに『自分でもらいにいけよ』ってやり取りがまたヤンガナっぽくて(笑)
猿さんはじめまして
この興奮・・・世界イチつおいと言われるクラブに見事な逆転・・
プジョルやシャビも若くなく、イニエスタはケガがちでコンディ上がらず、アウベスはムラっ気だし、マックスウェルは並の選手。
プレステキャラのメッシさえ・・彼さえなんとかなれば、きっとカンプノウでも!
猿さま
いつも楽しく拝見しております。
生観戦、うらやましい限りです。
しかし、その陰にこのような苦労があったとは知りませんでした。
ところで、エブエ師匠が試合後のインタビューで「えーと・・・チェ、チェチェンチーだっけ?ウチのゴールキーパー?彼は良かったよね~」と照れ笑いでコメントしてたのに笑い転げました。
チームメイトも名前うろ覚えのぼいちょふ係長ですが、最近の活躍は目覚ましく、そろそろ役職昇格のご検討いかがでしょうか?
生観戦うらやましすぎます!
僕も大学卒業したらロンドンに行きたいと思っているので、行った折は仲良くしてもらえればと思います。
これからは猿さんのブログを常に拝観したいと思っております。
よろしくお願いします。
生観戦&そのチケット入手にまつわるドラマ、お疲れ様でした!
しかし、あの場を共有できていたとは羨ましい限りですが、神が現れたのも、逆転勝利を納められたのも、あのポスターのおかげなのでは!
2nd-reg がマジで興奮ものになりそうで。今からソワソワです!!
時間の関係でバルサTV金子の気持ち悪い解説でしか見れなかったのですが、猿さんのブログですっきりしました!
そんなわけで、ホームゲームなのに日本では超アウェーでしたので、シャビンの逆転弾が突き刺さった瞬間のカタルシスはヤバかったです!
猿さんのブログを読むと何度でも蘇ってきます!うおおおおお!
>ベンチで盛り上げるという一番の大役を引き受けてくれた
>ロッシー、スキラッチ、デニー、ギブス、皇帝アルムニア
なんか、中高大で体育会だったけど、出番が少なかった自分にはウルッときちゃいました笑
ベンチにも入れない選手が沢山いるけど、みんな試合を支えてくれてるんですよね!ありがとうございます!(涙)