先日エミレーツに、こんなボス弾幕が掲げられました。
場所は、ノースバンクとウェストスタンドの間くらいのアッパースタンド。
試合終了と共に引き上げられたので、常にこの場所で見る事が出来るかどうかはわかりませんが、奇しくもその下あたりは丁度レジェンドシート、キングアンリの指定席。
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「RESPECT」
3月にして既にタイトル争いを諦め、空席の目立つエミレーツに掲げられた、ある意味勇気ある、そして”今だからこそ”の弾幕。
そして日本でも、”今だからこそ”の、こんな連載が行われていました。
短期連載・ベンゲルがいた名古屋グランパス
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2018/01/31/___split_9/
アーセン・ベンゲルを招聘し躍動した名古屋グランパスと日本サッカー界にいったい何が起きたのか?当時の選手や関係者の証言を元にまとめた、Sportivaの短期連載です。
名古屋サポだけでなく、是非全てのサッカーファンに読んで欲しい連載なのですが、その最終回がベンゲルなきグランパス、日本サッカー界の話。そう、アーセナル監督就任後の話だったので、ここに紹介させていただきます。
恩返しの「アーセナル学校」。ベンゲルが日本サッカー界に残したもの
恩返しの「アーセナル学校」。ベンゲルが日本サッカー界に残したもの https://t.co/odvy9I29Hg pic.twitter.com/WJ3XNTuqbU
— webSportiva (@webSportiva) 2018年3月14日
連載最終回。
2001年1月、名古屋時代ボスの教え子だった中西氏と平野氏は再びベンゲルに教えを乞うため、半信半疑でロンドン・コルニーを訪れます。
するとボス大歓迎のまま、二人はアーセナルの練習に参加することになるのですが、平野氏があることに驚愕します。そう、この一節。
その技術の高さに平野は驚かされたが、それ以上に衝撃を受けたのは、トレーニングメニューが名古屋グランパス時代となんら変わらないことだった。
それは中西氏の『ベンゲル・ノート』にもこう記されています。
アーセナルの練習に初めて合流した時のことだった。久しぶりのベンゲルの練習、人数的な問題もあり僕も練習に加わった。すると驚くことに、僕は何の違和感もなく、アーセナルの練習をこなすことができたのである。
世界最高峰のプレミアリーグで、常に上位に位置するアーセナル。そしてそこに所属する超一流の選手たち。僕はそこで行われている練習が、”見たこともない世界最高レベルの練習”だと思っていた。
しかし、それは間違っていた。
アーセナルの練習は、日本で僕たちが取り組んでいた練習と、なんら変わっていなかったのだ。
この練習きっかけに氏が『ベンゲル・ノート』の執筆を決意するのですが、これを読んだ時は自分も度肝抜かれましたね。
これぞボスの哲学。そう、この哲学こそがアーセナルをあの歓喜の渦に導いたのだと、そう確信しました。
そして中西氏が受けた、間合いの衝撃にも衝撃!
「練習メニューはグランパスと同じだったから、僕もついていけたんです。でも、ワールドクラスの選手たちと一緒にやってわかったのは、間合いが圧倒的に違うこと。アンリなんか、2mぐらい前から仕掛けてきて、僕はボールを奪うどころか体にすら触れられなかった。一方で、ビエイラは届かないんじゃないかっていうくらい遠くからタックルしてくるんですけど、ガツンとやられる。これはすごいなと」
これですよね。
これこそが「世界最高レベル」なんですよね…
こんなバケモノたちが当時のアーセナルにはうじゃうじゃいたんだなぁと思うと…感慨深いです。
その後もベンゲルと日本サッカー界の繋がりは続きます。
アーセナルで若手選手の短期留学を受け入れたり、S級ライセンス取得のための研修を行ったり…何故そこまでしてくれるのか?中西氏が訪ねるとボスからこんな答えが返って来ます。
「当然だろう。私はそれだけ日本で多くの人のお世話になったし、日本からたくさんのことを学ばせてもらったんだから」
ボスが未だに、レクサスで通勤しているのも納得です。
そんなボスチルドレン達は今や立派に独り立ちし、日本サッカーを支えているようです。
引退後、すぐ鹿島のコーチングスタッフの一員となった大岩氏。
「ベンゲルはすごく義理堅くて、感謝を忘れません。だから、僕もベンゲルから学んだことを日本サッカー界に残したいと思いました。今、久保建英選手をはじめ、いろんな現役の選手たちに無償で技術トレーニングの指導をしているのは、ベンゲルの影響からなんです」
久保君!?
そして俺たちのレフティモンスター小倉さんも、声高らかに語ります。
「監督でこれだけチームは変わるんだ、っていうのは衝撃的だったし、将来、監督をやりたいな、って意識させてくれたのもベンゲルでした。その前にオランダでプレーしていたけれど、トップのトレーニングや考え方に日本で触れられたのは大きかった。練習に行くのが楽しかったからね。俺は一度、監督としては失敗してしまったけど、コーチの勉強をし直して、もう一度頑張りたいです」
おいオグ、今こそだよ!
今こそボスのメンタルを学ぶときなんだよ!
アーセン・ベンゲル グレイシー説
突然ですが、俺は「アーセン・ベンゲル グレイシー説」を勝手に提唱しています。
“クレイジー”ではありません。グレイシーです。「グレイシー柔術」のグレイシーです。
圧倒的な哲学と当時としてはセンセーショナルな戦術で世間を席巻し、格闘技界を大きく変えた黒船、グレイシー一族。
これはまるで、ボスがプレミアに降り立った時とまさに同じではありませんか。
プレミアの概念を大きく変えた赤船。
グレイシー・トレインを彷彿とさせる結束力でボスの元に集結したチルドレン達は、その頑までの哲学と時代を先取りし過ぎた戦術でどんな相手も木っ端みじんに叩き潰し、連戦連勝負け知らず。
しかし時が経つにつれ、時代が追いつき追い越され、いつしか勝利の女神にも見放され、コーナーから純白のタオルが舞ってくる…あの感じ。
確かに時代に追い越され、置いていかれてしまったのかもしれない…しかしその礎や哲学、そして魂みたいなものは、チルドレン達に脈々と受け継がれているはず。
だからこそ、その熱き魂を胸に秘めた新たなチルドレンが現れることを、俺は心のどこかで願っているのです。
そしてそれは母国日本でも…
オグ!頑張れよ!
それはさておき、Sportivaマスツです!
短期連載・ベンゲルがいた名古屋グランパス
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2018/01/31/___split_9/
コメント
ベンゲルのアーセナルが優勝するのを見たい。
07-08シーズンのアーセナルが、ベンゲルの理想を一番体現してたと思う。
最後にEL獲ってくれ!
ヴェンゲルがアーセナルの監督でいる限り全力で応援するよ。ヴェンゲルもアーセナルも。そんなの当たり前。