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「アイデンティティとは何か」WCグラニト・ジャカもうひとつの闘い

セルビアと闘ったジャカの、ワールドカップもうひとつの闘いです。

 
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時は来た。それだけだ。

そんな言葉がガチ当てはまる対決、それがこのセルビア対スイスでした。

スイスっていうと永世中立国、時計とハイジの草食系ピースフルカントリーっていうイメージがあるかもしれませんが、ことフットボールに関しては少々事情が変わってきます。正確には、”セルビアと対戦する際のスイス”はという注釈付きですが。

ざっくりいうと、この試合の背景にあるのは旧ユーゴスラビア問題。

セルビアとは旧ユーゴの中心となった国。そんなセルビアと対戦するスイスには、幾多の内戦を経てユーゴから独立した国をルーツに持つアルバニア系の選手が、多数在籍しているのです。

そのひとりが俺達のジャカであり、そしてシャキリ、ベラーミ。

もはや国のプライドというよりも、ある意味民族の誇りを賭けた闘い、それがこのセルビア対スイスなのです。

しかもみてくださいよ、セルビアの選手達を。イヴァノビッチとかコラロフとか、どう考えてもイカつい屈強すぎるバウンサー(用心棒)集団。それにジャカやベラーミみたいなポリスメンが対峙するわけですから、肉弾戦は必至なのはおわかりいただけることでしょう。

 

さて、そんな歴史的な試合は開始5分に動きます。

ミトロビッチが頭で押し込みセルビア先制…そしてこのまま好調なセルビア有利に試合が進むと思われましたが…

後半52分、今大会ベストゴールに選出されてもおかしくないジャカ砲炸裂!!!

これがセルビアのゴールネットを爆撃!スイス同点!

 

 

 

動画が見れない人用

 

これには全世界のグーナーが、

ジャカーーーー!!!!!!

と絶叫したことでしょう。

「これうちの子!うちの子!」つって。

 

そしてその後のジャカのゴールパフォ…

え、カニ!?

ジャカは無類のカニ好きなのか!?

それか…

平和の象徴ハト!

スイスだし!

 

という俺の考えが、とんでもない間違いだったと気づくのはそう時間はかかりませんでした。

両手をクロスした、カニのようなハトのようなこのポーズ、

これはアルバニア国旗である双頭の鷲を表すポーズなのだそうです…

(カニとか言ってすみません…)

確かに、ロスタイムに決めたシャキリもあのポーズしてた。

 

そしてキャプテンの豊島さんまで…

 

今回、セルビアの大統領はスイスに勝つことのみを代表チームに求めていたそうです。

「スポーツに政治を持ち込むな」と言われて久しい昨今ですが、世の中には、俺みたいにボタンひとつで美味しいもんが食べられる人間には全く及びもつかない世界があり、そんなものを簡単に超越してしまう別の次元が存在する…

という事は以前ジャカと父親の記事で書きましたが、

「絶対に負けない」ジャカと親父の物語
https://www.arsenal-monkey.com/?p=34596

誇り高きコソボ人だったジャカの父親は、ユーゴスラビア時代政治犯という名目で三年半投獄されています。牢獄で何が行われたのか、父親は一切口をつぐんで話してはくれないと言いますが、ジャカ自身、そのことをタツーとして己の身体に刻み込み、それを背負って生きています。

セルビア政府同様、ジャカもシャキリもまた、「セルビアに勝つことのみ」を掲げ、この予選リーグを闘っていたのかもしれない。

そんな背景を考えると、俺は「あのポーズは…」なんて軽々しくは言えないのです。

 

そして彼等は、きっと罰則など恐れちゃいない。

なんなら、キャプテン自らあのポーズをしてるんだから、チーム一丸でその目標を達成しようとしていたのかもしれない。

そんなキャプテンをも巻き込んでまで、彼等をそこまで駆り立てるものはいったいなんなのか?

ということを考えた時、ふと、8年ほど前2chに投下されたあるスレッドを想い出しました…

 

「戦争の体験談を語るわ」という良スレ。

 

あえてここではネタバレしないので、もし興味があれば読んでもらいたいのですが(ちょっとヘビーだけど…)、日本がバブルの余韻に浸る90年代初頭、ユーゴスラビア内で民族浄化の名のもとに、殺し殺されの負の連鎖…子供すらも標的になったという地獄のような内戦の話です。

ある日突然隣人が敵になって襲ってくる。そして住んでいた町ごとなくなってしまう…そんな事がつい最近まで起こっていたのです。

そんな生まれ育った自分たちの国を追われるようにして、スイスに渡ったジャカの両親達…

 

ちなみにこれが、常に銃声が響き渡る、当時のサラエボの様子(取材があの山路徹)。

道を歩いてるだけで狙撃される、廃墟と化したそんな街…

 

撃たれることはないけれど、そんな問題は今現在も続いているようで、

世界的にみるとコソボは独立したとはいうものの、セルビアは未だ認めていないというのが現状。

 

そして今移民問題は世界中で議論されていますが、移民としてスイスに移住して来たジャカの両親も、決して楽な生活を送って来たわけではないと思われ…

スイス社会から孤立する旧ユーゴ出身の移民

それでもジャカは、時折生まれ育ったスイスへの感謝の言葉を口にしています。自分を育ててくれたスイスの為に闘いたいと。

そんなジャカのワールドカップはアルバニア人としての”アイデンティティ”の闘いであり、この一発は自らを受け入れてくれたスイスへの恩返しでもあるのです。

そんな背景を思いながらあのポーズを見ていると、俺みたいな人間が口出しをする事すらおこがましいと思ってしまうし、「これこそがワールドカップだなぁ…」を実感するというか。

 

以前ブログでも書きましたが、俺はワールドカップをスポーツとして、いや、サッカーとしては見ていません。

国と国、民族と民族のプライドを賭けた、武器を持たない果たし合い。

それがワールドカップだと思っています。

今回のジャカはじめ、アイスランドという小国のバイキングクラップに込められた魂(だましい)や、苦しんで苦しんでも最後に叩き潰すドイツのゲルマン魂(だましい)など、もはやこの大会は、サッカーというスポーツをの名を借りた「世界最強魂(だましい)決定戦」なのだと。

だからこそヤケドしそうなくらい熱くなれるし、世界中がバカになる、そう思うのです。

そんな大会で、魂(だましい)が全く見えないゼンチンが勝てるほど甘くねえんですよぉぉぉ!!!
(ルミ子わかった?)

とにかく、くだらねえ罰則で次戦出れるかわかんねえけど、

ジャカの魂(だましい)、俺はしっかり胸に刻み込んだぞ!

ありがとな!

 

そしてサムライブルーよ、

今度は君たちが大和魂魅せる番だからマジで。

今日くらいはエンセンの歌でも聴いてけ!

いつも倒せる!頑張ってだよ!

 

P.S

スイスはアンディ・フグくらいしか知らなかったけど、今回のワールドカップでまた忘れられない国になりそうです。

 

セルビア 1-2 スイス

 

その後の続報です!
【朗報】FIFAが神裁定、双頭の鷲グラニト・ジャカの罰金にまさかの展開!
 

 

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アーセナルのせいで日本に帰国できなくなった非国民、出家信者。「妄想8割・ガセ2割」をモットーにアーセナルのエア情報を垂れ流す意識低い系ブロガーとして、日本人グーナーのメディアリテラシー向上に貢献すべく、ほぼ毎日ブログを更新中。

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Arsenal (アーセナル) 猿のプレミアライフ

コメント

  1. Ozzy より:

    民族問題は部外者が軽々しく口を出してはいけないのでしょうね。
    平和な日本に住んでいる私には想像もつかない想いがそれぞれあるのだと。
    ジャカはプレイ内容やらメンタル面やら色々叩かれますが私は応援します。

  2. オシム より:

    7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を持つ、1つの”儚き”国家「ユーゴスラビア」。
    セルビア人のピクシー、ボスニアヘルツェゴビナ人のボロ・プリモラツ、コラシナツ、クロアチア人のシュケル、ミルコ・クロコップ、マケドニア系アルバニア人のムスタフィ、コソボ系アルバニア人のジャカ。
    平和ボケした日本人には、才能の塊がお互いを傷つけあっているようにしか見えない(悲)

  3. じゅん より:

    政治をスポーツに持ち込まない。
    というルールがある以上、ジャカの行動はいけないことなんだろうけど、ワールドカップの面白さの1つだと思うな。

  4. 匿名 より:

    ジャカには同情するけど、ユーゴ紛争を知る世代の選手は投獄ならまだいい方で、親類殺されてる選手だって珍しくないでしょ
    例えばモドリッチだって祖父殺されてるし
    そんな選手達が、こういうパフォーマンスやり出したらそれこそ収拾つかなくなって、サッカーの影響力も相まって新たな悲劇を生む可能性もある

  5. 匿名 より:

    サッカーに関係なく、そもそもスイスはのほほんとしたピースフルカントリーではなく、自分たちの平和は自分たちで守るぜ的な、一家に一丁銃ありのガチムチ武装中立国です。

  6. saru_gooner より:

    皆さん、ありがとうございます。

    こういった色んな意見をいただいただけでも、この記事を書いた甲斐がありました。

    >一家に一丁銃ありのガチムチ武装中立国

    スイスもそうなんですね。実は自分が高2の時、アメリカはテキサスのホームステイ中外に行こうとしたら「これ持っていきな」と渡されたのが小さな銃拳銃でした。あの銃の重さは未だに忘れません。

  7. […] […]

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