とんねるずのちっちゃい方、木梨憲武ことノリさんがロンドンに来ていたので、勝手に逢いに行って参りました。
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アーティスト 木梨憲武
今回は芸能関係の活動ではなく、7月13日(金)より日本14都市で実施される巡回展「木梨憲武展 Timing-瞬間の光り-」の前哨戦としてロンドンで開催される初の個展、「Noritake Kinashi London Exhibition -moment-」の為の渡英。
え、ノリさんアートなんてやってらっしゃるの!?
と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、そうなのです。実は20年にもわたりアーティスト活動も続けているのです。
創作活動を始めたのは、1994年『とんねるずの生でダラダラいかせて!!(生だら)』のワンコーナーにて、画家・木梨憲太郎に扮し、パリでセーヌ川を描いたことがきっかけ。
「あぁ憲太郎!いたいた!」なんて懐かしく思う方もいらっしゃると思いますが、まさかそれが創作活動のスタートだとは、人生わからないもんです…。
展覧会前日のアートトークショー。
活動のきっかけとなった、20年前、大きなキャンパスにマジック一本、一発勝負で描いたその「セーヌ川」の絵を前に、
「凄いでしょこれ?
何が凄いって、
日本のマジック20年間未だに消えない!未だに奇麗!
日本のマジック最高!!!
はい、訳して!」
と、日本人外国人問わず、観にきていたオーディエンスを一気に木梨ワールドへと引きずり込むその姿は、文字通りのアーティスト “Noritako Kinashi(あえてNoritako)”。
そして今やアーティスト木梨憲武の代名詞となった“人と人の結びつき”を表現する「REACH OUT」をキャンバスに描きこみ、これまたオーディエンスと即興コラボ。
そしてこの日最後のFAQのコーナー。
「アート活動について相方の石橋さんはなんと?」
という、とんねるずファンにとっては興味津々の質問に、
「特にこれといってはないんですが、、、自分が初めて個展を開くって時に、石橋さんは『俺も小学生んとき入選したことあんだぜぇ!』って言ってました。自慢げに言ってました」
そんなノリさんの答えを聞きながら、相方であるタカさんのあの時の言葉が蘇ってきました。
「木梨憲武の方が、資質は上なんだよ」
TBSレディオJUNK「バナナマンのバナナムーンGOLD」のポッドキャストで、タカさんが放った一言。
「謙遜だとかなんとかじゃないよ。自分でやってて自分で分かるじゃん。自分の資質みたいな。アイツの方が資質上なんだよ。これから10年20年したら、アイツはすっごいスーパースターになる。
俺にはそれが無いんだよ…それは自分自身で分かるの。あぁ~あ〜て。ノリタケいいなぁって。
資質って、絶対やってりゃ分かるのよ。ボクサーが第一ラウンドで構えて、パンパンて1発2発グローブを合わせただけで『今日はコイツに勝てるな』とか、『やられちゃうなぁ』とわかるのと一緒で、肌を合わせた瞬間、『こいつとはずっと一緒にいられるな』とか、『いられないな』って分かるのと一緒で、
多分、資質で言ったら…
俺は今でも木梨憲武が東のNo.1だと思ってる」
「資質」
漠然としていて、当時はあまりピンとこなかったのですが、この外国人のオーディエンスを前にしたアートのトークショーで、ドッカンドッカン笑いをとる会場を眺めながら、バチッと点と点が繋がったような気がしたのです。
そんなノリさんの”ショー”を前に、「とんねるず」で育ってきた俺は、えも言われぬ多幸感に包まれたのでした。
とんねるずと私
自分はとんねるずのワンフーです。
今でこそ「とんねるずの何が面白いの?」という風潮がありますが、当時の「とんねるず」には、そういったものを軽々と超越した理屈じゃない魅力がありました。
ベストテンでもみくちゃにされて客と大乱闘するとか、歌ってる最中1000万以上するカメラ転倒させて壊すとか、そんな事が許された牧歌的な時代っていう背景もあったけれど、17時から始まる『夕にゃん(夕焼けニャンニャン)』観る為ダッシュで家帰るとか、今の時代、ダッシュしてまで見たい番組ってそうそうないですよね。
タカさんは
「今の芸人はしっかりネタも作って凄いよね。でも、俺らはクオリティも低いし全然ダメ。椅子取りゲームの中で、ぽっかりその椅子が空いてたんだよ…」
と語りますが、椅子が空いていただけで生き馬の目を抜く芸能界をここまでサバイブ出来るわけがないし、なにより、俺みたいなガキは、まんまと彼らの圧倒的な求心力に吸い込まれていたわけです。
そしてラジオっ子の自分にとってはなんといっても「とんねるずのオールナイトニッポン」は鉄板、今でもiPodに入れて聴いているくらい好きな番組でした。
深夜ラジオですから、家族に迷惑かけないようにヘッドホンで聴いてるわけですよ。そしたらゲラゲラ笑うじゃないですか。夜中の2時くらいに。すると、うちのばあちゃんがビックリした顔で覗いてくるんですよね。
まぁそうですよね。孫が突然真夜中にゲラゲラ笑い出すんですから…あの時のばあちゃんの目が飛び出るようなド深夜のビックリ顔、未だに目に焼き付いて離れません。
そして先に言った「ワンフー」とはこのラジオから生まれたワードで、いわゆるとんねるずの「ファン」のこと。
そんなただのワンフーの自分がですよ、この展示会の仕事でいっちょ噛みさせていただいたおかげで、なんと展覧会のオープニングのレセプションに呼んでいただいたのです。
いやぁもうね、ドキドキしながら、時間より先に着いちゃったりなんかして…
ちなみに、この展覧会が開催されたショーディッチは、街自体がアートのロンドンでも尖ったエリア。
そんなアートをくぐり抜け、腰を低くしながら中に入ると、、、
いらっしゃるではありませんか…
我がスーパースターが、目の前に…
実はですね、俺ノリさんとお会いするのは初めてではないんです。自分が学生時代に一度、めっちゃ接近戦で遭遇しているんです。
今から20年以上前、自分が学生時代、とんねるずがコンサートの全国ツアーでうちの田舎に来ることになったんです。
でもね、貧乏学生だったんでお金がないんですよ。そんなわけでコンサートも行けねえなぁ…なんて諦めかけていたとき、拾う神出現。寮にコンサートのバイト募集が貼り出されてたんです。そら速攻申し込みましたよね。そして当日バイトで潜り込む事に成功。
コンサートのバイトって言っても色々仕事があって、まずは会場設営。大きな4tトラックから鉄柱やらなにやら、セットの資材を大道具の親方みたいな人にドヤされながら会場内に運ぶ仕事。これが終わると駐車場警備やらなんやらあるんですが、自分が仰せつかった仕事は、なんと、
とんねるずのお二人を駅のホームまで迎えにいき出口まで送り届ける券。
そのラッキーな大役を手に入れたのはわずか2、3人くらいだったような気がするけど、俺一生分の運を使い果たしたと思いましたよね。
そして緊張しながらホームまで行ったわけですよ。ビシッとスーツできめて。
そしたらね、ホームに降り立った、石橋貴明、木梨憲武、とんねるず…見てね、驚愕ですよ…
デカい…
ただひたすらデカい…
その存在が…
あの時の衝撃は、未だに覚えています。
あぁ…遠い、ただひたすら遠い神々。
そんな神々を守るため、花道を入場してくるスターレスラーを先導する黒猫(新日本プロレスの人)ばりの、「危ないですからどけてください!」と人込みをかき分けるアレを精一杯やり遂げました!あざす!
そしてなによりコンサート!
あそこまで観客が笑顔の、”人を愉しませる”に特化したライブ、とんねるず以外観た事ないかもしれないなぁ…
そんな未だ鮮明に覚えているあの時の感動…それを今回直接ノリさんに伝えたかったのです。
一人のワンフーとして。
場違いだとは承知で。
でもすみません。
やらせてください!男のけじめとして!
そしてその時がやってきました。
ちょうど人が途切れた瞬間、じりじりと詰めより挨拶に成功。
以下その世紀の瞬間を再現。
(ビジネスチックに近寄っているので全て真顔でこそこそ調。二人で横並び…)
さる 「ノリさん…ロンドンへようこそ…ただのワンフーです」
ノリ「ワンフー…まさかここでその言葉を聞くとは…」
さる「昨日もトークショー参戦させていただきました。ありがとうございます…」
ノリ「それはどうもありがとうございます…」
さる「今も『あぁ香港(オールナイトの神回)』ヘビロテで聴かせていただいています…Noritako Kinashi…」
ノリ「…こ、ここで、誰がその話題を知っている…!」
さる「未だに、愉しませていただいております…そして実はここでお会いするのは二度目なんです…」
ノリ「…ほうほうほうほう、いついついついつ?」
さる「実は今から20年以上前の話なのですが…」
ノリ「…ほうほうほう..でででで?」
かくかくしかじか…
さる「あの時のデカさは、いまでも忘れません…!」
というわけで、一方的ではありますが、人生の目的が、またひとつ達成されたのでした。
そして、
さる「最後にひとつだけ」
ノリ「なーーになーになになに」
さる「あの、ここに…」
ペレいただきました!
あざざざーす!
そしてノリさんが「未だ俺の勘違い」と語るアート。
でも20年間続けられることって、なかなかないですよね。
ノリさんはこう言います。
「自分は兄弟・親戚と鉛筆、色鉛筆、絵の具大会と楽しみながらやってきた。アートは難しいかもしれないけど、こういう入り口でもいいと思う。自分で描いて気に入った作品を自宅に飾って『いいなあ!』という、こういうとっかかりでいい」
自分も、一歩踏み出せない事って多々あったりするんだけど、そういう自由な発想で実現出来ればいいなぁ…と、自分自身いい刺激になりました。
お笑いだけじゃない、歌手、俳優、声優、そしてアートと、天から二物を与えられまくった、とんねるず・木梨憲武という男。
あの時感じたデカさは、若干身長が伸びた今でも、何も変わらないのでした。
ノリさん、ありがとうございました。
いつまでもドデカい憧れの自由人として、創作活動頑張ってください。
いちワンフーとして応援しています。
木梨憲武展
日本では大阪を皮切りに全国で14カ所を巡回する木梨憲武展。
ワンフーは迷わず逝け!
会場で販売する公式作品集とグッズの情報を公式サイトに掲載しました!ご来場際にはお忘れなくどうぞ!!https://t.co/0fmIuktKWP
— 木梨憲武展 (@kinashiten) 2018年7月12日
P.S
ノリさんのこんな話。
以前熊本にロケで木梨さんがいらしたんですよね。で、いつもの感じで話しかけた素人さんが、今度結婚するとのこと。それを知った木梨さん、仕事と全く関係なくプライベートで、サプライズで結婚式にいらしたんですよ。熊本まで。たまたま僕が挙げた式場だったので知った話です。
— ひろ (@peasemile1) 2018年7月19日
コメント
自分もノリさんアートムッチャ好きです!
TVでちょうどセーヌ川のあの絵を観てた世代です!
化粧まわしをデザインしたこともありましたなー
良い話です!
アーセナルだのなんだのとガッツか無いところが先方へのリスペクト感じます!