先日、衝撃的な記事がガーディアンに掲載されました。
絶望的な怪我から復帰した、サンティ・カソルラ インタビュー。
Santi Cazorla: ‘Every time they sewed me up, it split again, more liquid’/ The Guardian
深刻な怪我との戦い、奇跡の復活、そしてアーセナル愛までを、おじさん自らが語った、間違いなくグーナー必読の内容です。
そしてこの記事を、我らがmygunnerさんが翻訳してくださいましたので、勝手ながらブログでもシェアさせていただきますので、是非ご一読ください(mygunnerさん、いつもステキな翻訳ありがとうございます!)。
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サンティ・カソルラ: 僕をつなぎ止めてくれたもの
カソルラのケースは医学の教科書に事例として書かれるかもしれない。膝と足首の怪我、原因不明で回復の見込みはなく、10回の手術。術後の傷からの細菌感染で腱を10cm失い、わずかな骨が残るのみ。足とキャリアを失う事態だった。(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
636日プレーできなかった。殆どの人間は二度とできないだろうと思っていた。家から遠く離れて一人でいる時、もう諦めようと思う夜が幾度もあった。「もうだめだ。明日フィジオにもう続けられないって言うよ、と家族に言おうと思った。」だが今季ビジャレアルで3試合スタメンとなった。(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
13年のチリとの親善試合で怪我をした。その後足首の骨にヒビ、15年11月に膝の靭帯を痛め、 16年10月のルドゴレツ戦まで痛みを伴いながらプレーした。「寒かったからHTがこたえた。痛みはどんどん増した。その夜泣いたよ。痛かった。もうプレーできなかった。そこから悪夢が始まった。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
「『サッカーのことは心配しなくていいから普通の生活ができるようになることを目指そう。子どもと遊んで散歩ができるまで。』でもスペインでは全然違うことを言われた。ヴィトリアに行って、2種類の細菌が腱に、もう一つが骨に感染してたことがわかった。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
「英国の医者は『わかっていた』という。『抗生物質を投与した』と。でも細菌に対応した抗生物質だったかどうかは別の話だ。彼らはどの細菌が腱に感染してたかわからなかったんだ。」カソルラは笑いながら話すが、怒りの気持ちがあったに違いない。切断のリスクまであったのだから。(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
訴えないのか?「家族はそんなことも言ったけど他の人はあまり意味がないと言ってた。もしも初診でわかれば問題は最小ですんだだろうけれど、自分もどう治るのかわからなかった。訴えるのはエネルギーがいるし医療の件で争うのは得策ではないだろうし。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
「医者は責任も取らないし感染に気づかなかったことを謝りもしなかった。彼らはその時正しいと思ったことをしたんだと思う。感染が見つけられなかったから過ちだったということではなくて、とにかく運が悪かったんだ。彼らには罪の意識は無いと思う。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
「アーセンもいつも支えてくれた。1度目の手術前に契約を更新してくれた。信じられない行為だよ。電話で『サンティ、1年更新しよう。契約書はここにある。サインして、安心して手術を受けなさい。』あれで不安を持たずにリハビリに集中できた。一生忘れない。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
チリ戦で交代していたらと思わずにはいられない。「20分に蹴られて90分までプレーした。交代すればよかったのにと思うし言われるけど、自分が決めたんだ。傷ができた時交代の話もあったけど、拒否した。単なる打ち身。包帯をして翌週もプレーした。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
スペインで、医者は太ももから腱を移殖し、かかとにはプレートを入れた。「ロンドンでは自分がもうプレーしないと決めつけられた。スペインでは『サンティ、これは酷いけど、頑張ろう』と言われた。」家族をロンドンにおいて一人でヴィトリアで治療、サラマンカでリハビリ。(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
進歩はゆっくりで、まだ手入れは必要だった。ある時、再建した腱を周囲の組織から剥がして再度くっつけることもしなければならなかった。「時々、もうやめようと思った。進歩が感じられなかったら本当にキツい。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
「メディカルに言うと『プレーしたい?』『うん』『じゃあ、今日やってみて、明日はどうか見てみよう。』そしてちょっとした進歩が感じられる。ある日ピッチに立ったらはっきりわかった。ワオ!満面の笑みでホテルに帰る。フィジオは賢くて、自分を騙したんだ。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
「ボールを渡されて、……マドレ・ミア!サッカー選手の気持ちにちょっとだけなれる。彼らは言うんだ。「明日はもっとボールを使うよ。」そうやって少しずつ騙されながら、翌日が楽しみになっていった。家族との電話でも『痛かったけどボールに触ったよ!』って。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
「ロンドンとオヴィエドを行き来してると、子どもに会えた翌日には『またパパは行っちゃうの?』と言われる。自分に普通に接してくれてそれがまた辛かった。でもこの闘いは彼らのためでもあるんだ。何しろエンソもサッカー馬鹿だから。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
カソルラの傷は目立つ。ピッチでエンソは「もうプレーしないの?」と聞いてきた。「『いやいや、もちろんまだプレーするさ』『その足で?ちょっと変に見えるよ』『うん、ちょっと違うね。まああんまり見ないことだ。』今は自分はプレーするし彼がスタンドにいると嬉しい。(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
カソルラは今季毎試合出場している。痛みはある。不安も残る。足首は弱く体は体重が片側だけ重くなって不安定だ。だが「楽観的だから、大丈夫、悪くない。」ビジャレアルとの契約は1年更新オプション付きの1年契約だ。「まずは次の試合。その次もプレーしてみる。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
そうやって出来る限り長く。多分彼は今のところビジャレアルでベストプレーヤーだろう。アーセナルでこうなった可能性は?「ないよ。アーセナルでは必要とされなかった。アーセナルはとてもよかったし誠実だった。ここでやることになったことをアーセナルでするのが理想だった。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
「誰でも契約するときはまず実際に会うことが必要だ。無条件で契約をくれる人はいない。プレシーズンで見て決める。でも彼らはスカッドの最終化に時間をかけられなかった。契約以外の方法でいくらでも支援すると言ってくれた。理解できるしリスペクトする。感謝してる。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
「アーセナルではみんなが愛してくれた。いつも繋がっていた。すごく愛着がある。エミレーツでサヨナラを言えなかったのが心残り。去る時にはファンの前にいたいから。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
レアルとのレジェンドマッチにカソルラは招待されている。プレーするために?「(笑いながら)ノー。あれはOBの試合。まだ自分はそこには入らない。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
だから16年10月のルドゴレツ戦が最後になった。EL準決勝前にエミレーツで「練習」した4月のあの日を除けば。あの日の彼のリクエストにはノスタルジーがあった。「いつプレーできるかわからなかったからできればやりたいってお願いした。」(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
「大したことはやってない。4周走って、ちょっとドリブルして。だけどあの芝生の上に再び出て、観客からの温かい気持ちを受けられて嬉しかった。『たとえもう2度とプレーできなくても何かを持ち帰ろう』と思ったんだ。」
だが、サンティ・カソルラは再びプレーしている。(ガーディアン)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月8日
特別付記
カソルラインタビューの記者が、今回の記事にならなかった彼のコメントをシェアしていますので、以下抜粋意訳。 https://t.co/a3FzF7LRv0
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ:最近、自分がロールモデルになれるかと聞かれたけど、ノーだね。自分よりももっと大変な思いをした人は沢山いる。自分がやったことといえば、サッカーを続けるために闘ったことだけ。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ: 自分と同じように、それ以上に闘ってきた人もいるはずだけど、サッカー選手じゃなかったり、有名じゃなかったりで、皆が知らないだけだ。自分のケースがその状況改善に貢献できるなら嬉しい。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ:ELでアーセナルと対戦できたら格別だ。アーセナルでのベストな思い出はFA杯。PLでプレーするのも好きだった。惜しいシーズンもあったけどダメだった。全て揃ってるクラブだけどあとは戦うためのほんの少しのディテールがあれば。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ:エメリになったことは重要な変化だし長期的に見てよかったと思う。素晴らしいコーチだし時間は必要だけれど彼はクオリティを大きく飛躍させてくれると思う。彼を直接は知らないが、夏に、チームやクラブのことについて教えて欲しいと連絡をもらった。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ:内部にいた人から話を聞くのは普通のことだから。思ってたことを話した。彼が変えねばならないところ、彼が補強しなければならないところ。それは何かって?言えないよ。秘密だ。だけどはっきりとストレートに言った。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ: 信じられないほど素晴らしいクラブで、勝つための全てを持つ。けれど変化が必要なところもある。中には簡単には変えられないところもあるだろうとも言ったよ。アーセンが23年作ってきたクラブだ。それは一晩では変わらない。時間が必要だ。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ:エメリにとってはアーセナルのようなクラブを率いて、優勝を目指すのはいいチャンスだ。自分もアーセナルには優勝してほしいし、ガナーズは皆そう思ってる。いいコーチを選んだと思う。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ:長期離脱するほど大怪我した選手たちは、その間に体験した思いや視点をシェアしてお互い助け合うべきだ。怪我をすると誰が自分を支えてくれる人なのか、本性がわかる。物事がうまくいってるときは皆がちやほやしてくれる。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ:でも2年もプレーしないでいたら、TVに出ることも記事になることもない。その時、まだそばにいて気にかけてくれて会いにきてくれる人がいることがわかる。調子のいい時にはそばにいるけどうまくいかなくなると離れていく人が誰なのかもわかる。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ: イニエスタやシルバ、マタ、カシージャス、彼らはメッセージをくれた。自分の味方で自分のことを思ってくれてる人たちだとわかった。他にもものすごく多くの人たちがメッセージをくれて、恩は忘れない。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ:(セビージャ戦での歓待について)想定外だった。ソーシャルメディアとかで皆親切だったけれど、そういう書き込みと、スタジアム全体でスタオベされるのはまた違う。自分はその愛情にお返しすることくらいしかできない。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ:サッカーで大事なことは人々の前向きな想いや愛情を抱きながらプレーできること。そういうシーンを見てきたし、これからどこへ行こうと自分もそうしていく。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
カソルラ:サッカーから学べることは多い。時には「なんてこった、運が悪い」と思うこともある。でも素晴らしい経験もあった。サッカーは多くのものを自分にもたらしてくれた。今まで経験してきたこと全てに、そして、今後起こるだろうすべてのことにも感謝したい。(S.ロウェ記者/ツイッター)
— mygunner (@mygunner98) 2018年9月10日
Santi Cazorla: ‘Every time they sewed me up, it split again, more liquid’/ The Guardian
翻訳: mygunnerさん
おじさんの経過はずっと追ってはいたけれど、思った以上想像を絶する怪我との闘いだったということが、この記事を読んでわかりました。
そして古巣への復帰も、相当奇跡だったということも・・・。
「憎まれっ子世に憚る」じゃないけど、この世の中って、”いい人”からみんないなくなっちゃうじゃないですか。だからいつも「不公平だよなぁ」って思ってたんだけど、神様もたまにはいいことしてくれるじゃないの。
おじさんは「エミレーツでサヨナラを言えなかったのが心残り」と言ってたけれど、おじさん、大丈夫。
そのために俺たちはELを選んだんだから。
そして、この記事にも登場したサッカー馬鹿の息子エンソ君は、ご覧のようにすくすくと育っています。
陽はまた昇るのだ。
僭越ながらボリスタ様にも「おじさんおかえり」の記事を書かせていただきました。
コメント
壮絶だなぁ…
詳細な掲載に感謝です。これからも応援するぞ!!
やはりジーンと来ますね~
大変な時でも、満面の笑みを見せてくれていたんだと思うと、
感無量ですね。
今後も、活躍して貰いたいですね!
グーナー以外の方にも見ていただきたい内容ですね。
この記事をみるとカソルラの事が今以上に好きになります。
プレーや他の記事から見える彼の人柄をはるかに超えていく優しさ。
これからもカソルラを勝手に応援していきます。
詳細をありがとうございました♪
記事の紹介、ありがとうございます。サンティの最後の言葉は、自分の仕事や生き方に対する強烈なエールです。日々、頭では分かっていることだけど、どうも自分中心で周囲が見えなくなることも。今日は初心に帰ることができました。ありがとうございました。
ボスが選んだ選手たちは、それぞれボスとの間にかけがえのないストーリーがあるのですね。。。ちょっと前のコッシーの記事でも思いましたが。エジルファンの私としては、サンティは彼がリラックスできる相手(ちょっといじってもらえるくらいの距離というか)だったと思うし、いろんな意味でアーセナルで復活して欲しかったです。。。でも、もちろんこれからもサンティのこと応援します!!
全俺が泣きました
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