ここから先は、赤い人間立ち入り禁止区域。
というわけで、
赤シャツを脱ぎ捨て、アウェーシャツに着替えます。
いざ虎猟りへ!
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虎柄のカオスをくぐり抜け、
席に着くとそこは、いつもとは明らかに違う黄一面の別世界。。。
「魂みたいな物は、全てアーセナル側に置いて来た!」
と意気込んで入ってはみたものの、しかし、それはそれは、気が狂いそうになるくらい違和感のある光景。
当然目の前全てが虎模様で、聴こえてくるのは六甲おろしのみ。
何故俺がこんな場所にいるのか?という葛藤と自己嫌悪。
唱う事も出来ない、声を出す事すらままならない。
ただひたすら感情を押し殺し、目の前で起きている現実を見つめるだけという「作業」。
いや、感情を押し殺してというよりは「無」に近い状態。
俺は絶対に入ってはいけない場所に、足を踏み入れてしまった。
例えそれがFAの決勝だとしても。
いや、むしろ決勝だからこそ・・・。
そして開始5分の地獄。
何が虎猟りだ・・・
黄色い歓喜に囲まれ、雪崩のように押し寄せて来る後悔。
それは決して「スコアを決められたから」というだけでない何か。
「アーセナル」相手に、二点も先制したのに、一切喜びもしない、立ち上がりもしない、明らかに異質な物体が、虎サポの純粋な喜びを邪魔しているような気がして、ただひたすら申し訳ないような気持ちが先にきちゃって。。。
ハルのスタンドは明らかに我々とは違う客層なんですよね。
眼のすんだちっちゃな子供から、威勢のいい田舎の青年、そろそろ達観しかけてきたおじちゃん、おばちゃん、
そして歴史を紡いできたじいちゃん、ばあちゃんまで、この世に生を受けた瞬間から、俺達はずっと虎党っていう、そういう使命を帯びて生きて来た人達で、
とにかく、オラが町のスーパースターを町ぐるみでの応援感が、アーセナルのそれとは比べ物にならないっていうか。
決してアーセナルサポがどうこうってわけじゃなく、、、イングランドのローカル特有の、なんかとてもあったかい感じっていうかね。
それがまた居心地が悪かったり。。。
しかしその後、当然のように我々が点を積み重ね、
地鳴りのようなノイズの度に頭を抱え、ダズーンなりつつも、それでも最後まで応援するっていう、そういう姿勢にも、なんか共感出来たり。
なんかあるでしょ?銀行強盗の犯人に、人質が共感しちゃうやつ?完全にアレな状態?
今回3-2で計5点、スコアが入ったわけなんですけど、俺にとっては、なんか5点全て決められたみたいな、ほんとうに不思議な感覚で。。。
だから優勝が決まった瞬間、俺は世界の中心にいたはずなのに、それは俺とは全く無縁な、遥か遠い国の出来事のような気がして・・・。
それでもシャッターをきっていると、なんかわかんないけど、無性に目から汗が流れてきてね・・・。
だだっぴろいピッチ上には、9年の呪縛から解放され、ところ構わず抱き合う勝者と、全てを出し切り、その場にへたり込む敗者の姿。
でも、終了の笛がなった瞬間、ハルのスタンド全部が一斉に立ち上がり、ピッチに向い、惜しみない拍手を贈る・・・。
勝手な解釈かもしれないけど、なんかそれが俺達に対しての拍手のような気がして、なんか余計にね・・・。
さらに、虎柄に身を包んだ、疲労困憊のスーパースター達がスタンド前にやってくると、さっき以上の温かい拍手でむかい入れ、誰も声をかけたりはしないけど、ただひたすら、ずっと拍手だけはやめないんですよね。
優勝じゃないのに。
2位おめでとう!
っていう、そういう。。。
俺はたまたま住んだ場所がエミレーツ近くだったことで、こうしてアーセナルをサポっています。
そんなたまたま恋に落ちたクラブが、こんなにも容姿端麗で、誰からも愛されるとてもステキなクラブだった事は、本当に、心底ラッキーだったとも思います。
でもこうして初めて、ブサイクで、それほど魅力的でもない「格下」と呼ばれるクラブ側で観た、この地獄のように素晴らしい経験は、改めて、イングランドのフットボール文化の奥深さを実感させてくれました。
2位でもいいんだ。
そういうクラブがこの世に存在する衝撃は、おそらくこの経験なしでは一生知りえなかったかもしれません。
町ぐるみ、いや村をあげて応援しているクラブが、このイングランドには星の数ほどあって、サポーター一人一人、皆それぞれの想いを胸に応援している。
Football is My Life.
俺はその日、世界の中心にいたにもかかわらず、愛を叫ぶ事は出来ませんでした。
そして目の前で決まった優勝も、まるで遥か遠い国の出来事で・・・。
しかし、ただひたすら、黙々と選手に拍手を送り続けるハルサポのとても晴れやかで純粋な横顔を眺めながら、優勝こそ実感することは出来ませんでしたが、改めてプレミアを、いや、フットボール文化の素晴らしさを噛み締められた事は、プレミアの「いちサポーター」として、本当に尊い経験だったと思います。
うん。
420ポンド、プライスレス!
優勝セレモニーは、リアルに係員の制止をダッシュで振り切り、俺の居場所へ移動。
これが俺に出来る、最大の祝福。
俺達のArsenal、優勝おめでとう!
した!
そして、
あざす!
そんじゃまた近いうち!
でも次こそは、あの赤い渦の中に・・・。
↓初めて優勝を初めて噛み締めたFAパレードに続く
http://gooner.jugem.jp/?eid=2012
コメント
ハルサポ素晴らしい。泣いた。
猿さん、あんた漢だよ!!
このレポが読めて幸せを感じた。
猿さん、したッ!!
こころが熱くなりました
うるっときた…
ほんと、プライスレスな体験ですね!!
涙出てきました。
こないだの動画といい、
杯優勝といい、最近猿さんのとこで
泣いてばかりっす。
なんか、なんか、
サッカーが、好きで良かった。
ジーン(TдT) いい経験ですね。
名作!
感動しました
素晴らしいFA決勝レポ
猿さんありがとうございました
フットボールが好きで良かったと
改めて思わされました。
猿さん、ありがとうございます!
猿さんいつも、ネットの他の場所では見られない臨場感たっぷりの美画像動画をありがとうございます。
どれだけ猿さんのレポを楽しみにしてることか。
今期最後の最後に選手の笑顔が見られてよかったです。
来期は、猿さんに歓喜の嬉し涙を流してもらいましょう!!
いやーいいブログでした
ハルサポのなかで、感情を抑えた猿さんにしかかけないレポートでした。 感動しました
やっぱり我慢できず初コメです。
真面目に感動しました…!
こんなレポ、なかなかないですよ。
猿さん、本当に本当にありがとうございました。
来季、赤い渦の中からの素晴らしいレポを楽しみにしてます!
金まみれ、油まみれの人たちにこの感じわかりますかね。
せつなそうなウェンブリー君の後ろ姿がまた良い。名文&名動画乙であります。
猿さんのフットボール愛が溢れ出てきました。
ハル、強かったし勢いも良かった。
グーナーでありつつも、敵をも愛してしまう不思議な感覚は何だか分かります。
しかし本当に9年長かった!!
シーズン途中までリーグ優勝すら信じた今のチームの勢いは来シーズンこそ花開くでしょう。
とりあえずは一年間お疲れした!!!!
まさにプライスレス。
感動しました。
>係員の制止を振り切り
ワロタwww
サッカーのテレビ放送開始時間を一目で確認できるサッカー専門の番組表サイト『さかちゃん!』を作ってみました。
ワールドカップ後にもサイトを運営するか迷っているのですが、サッカーファンの役に立ちそうであれば、サイト更新の継続を検討しております。
サイトをご確認頂き、サッカーファンに有益であると感じて頂けましたら、ブログ内でサッカーファンに向けて『さかちゃん!』を知らせて頂けませんでしょうか。
サッカーのテレビ放送開始時間のことなら『さかちゃん!』
http://saka-chan.com/
一方的なお願いで恐縮ではありますが、ご検討を宜しくお願い致します。
猿さん、俺らが思っていた以上に深い経験をしたのですね。
今シーズンがこのような結末になるなんて予想外だったことでしょう。
何が起こるかわからない、まさにフットボールのおもしろさを改めて学ばせて頂きました。
とりあえずまあW杯というブレイクを挟んだ後、また来シーズンもよろしくお願いしますね!(^^)/
レディスもFA杯制覇。
もし右SBのオーリエが入団したら、ニックネームは王理恵で宜しくお願いします。
王理恵・・・前SB監督 王貞治さんの次女
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