5月28日から31日にかけ、EL決勝の地アゼルバイジャンに密航してまいりました。
まぁいろいろ波乱万丈ありましたので、そのズンドコっぷりをまとめました。
一回では書ききれないので、何回かに分けて書いていきたいと思います。
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アゼルバイジャン逝けんのか!!
第一目的地であるイスタンブール空港到着でほっと一息…といきたいところですが、まだ安心することは出来ません。最大のミッション、バクー行き航空券の取得が残っているのです。
とはいえ、どうしたらいいのかわからない。
ヒースローの空港職員には「イスタンブールの空港で発券してね」と言われたものの、具体的には何も聞かされていないわけです。
でもそういう時は空港スタッフに聞く!これ鉄則!これこそが自然の摂理!
早速近くの搭乗ゲートのデスクに突っ立てる空港職員を捕まえ、
「わたくし、ロンドンから参りまして、乗り継ぎでアゼルバイジャンまで行きたいと考えております。
しかし、航空券をロンドンからトルコ、トルコからアゼルバイジャンと別々に購入してしまったため、ヒースローのスタッフ様からは『アゼルバイジャン行きの航空券はイスタンブールの空港で発券してね』と言われました。どちらで発券すれば良いでしょう?」
と懇切丁寧、俺史上最強にわかりやすく説明したのですが、
そのスタッフから返って来た応えが、あさって方向。
「出発までまだ5時間もあるじゃん。なんで今?
一時間前くらいになったらまた来て」
という、そっけないもの。
「え?今航空券持ってないんですよ?一時間前ここに来れば発券してくれるんですか?ここで?この場所で!?」
というと、「そうそう、そういうこと」というので、ちょっと腑に落ちない部分はあるものの、若干緊張感が解け腹ペコラー。フードコートでなんか食べることに。
つっても、ここはトルコ。ほぼほぼケバブしかないよ!ってことで、ビーフケバブをチョイス。
謎のお通夜風。
恐る恐るめくってみると、見た目もなんかしょぼい。。。
そんなわけで、一切期待しないまま口に入れると、
なんこれ!?
あのしょぼい姿からは全く想像もできないくらい、クッソ美味い。
ロンドンのケバブとはなんだったのか!?
ってくらいダンチ!
店員はムスッとして愛想もへったくれもなかったけど、美味いから許す!!
いやぁやっぱ本場は違うよ、本場は。
絶望すぎる空港スタッフと働き方改革
カーボとプロテインを摂取しお腹も一杯にはなりましたが、やはり気になるのは航空券。「1時間前にもう一度来い」とは言われてはいるけど、なんかきな臭いというか、若干引っかかる。
トルコだし。
欧州歴12年の俺の勘はダテじゃない。
出発2時間前をすぎ、電光掲示板にアゼルバイジャン行きのゲート番号が表示されたので、下見をかね出発ゲートまで行ってみることに。
しかし行けども行けども着きやしねーよ…よくよく見たらいっちゃん奥じゃないのよー。
そんなわけで、ゲートに着いた時はもはや汗だく。これだから巨大ターミナルは恐ろしい。まぁでも出発ゲートの場所は確認した。あとはチケをなんとかするだけなハズ!
つーことで、再度空港スタッフに聞いてみることに。
しかしそれは、「自由こそ正義」を信条とするトルコ人を知る上で、非常に貴重な経験となるのです。
早速出発ゲート脇のデスクに突っ立てる、間違いなくスタッフ風のおじさんに、「ここから出発する便は、アゼルバイジャン行きですか?」と尋ねたところ、史上最高にシュールな応えが返ってきました。
「知らねえ!!」(語気強め、首振りながら俺に聞くな!調)
I(アイ)すら入らない、
「ドンノー!!」
というリアルガチで愛のない返事が返ってきたのです。
そして、そそくさとその場を逃げるように立ち去って行くおっさん…。
あぁ、なるほど…。
俺は悟りました。
おそらくこのおじさんは、ちょうど勤務時間が終わったところなのだな。
そしてきっとここトルコでは「働き方改革」が徹底しているのだな、と。
そらぁ勤務時間外に質問されても知らねーって話ですよね。そして改めて、自分は「叩けば響く」という日本社会で、超絶甘やかされて育ってきたのだなぁ…を痛感。
そらそうですよ。業務時間外の人に期待しちゃダメですよ。そんな単純なこと忘れテタ!
そしてこの空港は超ホワイト企業なのだなぁ…とぼんやり。
とはいえ、空港スタッフにこれ言われたら、絶望しかありません…。
だって他にスタッフいないんだもん。。。でもそうこうしているうちに時間だけはすぎてゆく。
こんなとこで止まってらんないよ!ってことで、元来た道を再び汗だくで引き返し、インフォメーションデスクを探すことに。
トランスファーデスクを探せ!
巨大な空港をうろちょろすること数十分。ついに発見、希望の光、インフォメーションデスク!ここまできたら、もうチケット取れたも同然です。
そこでスタッフのおじさまに再度同様の質問。
「わたくし、ロンドンヒースロー空港から参りまして、この先最終目的地アゼルバイジャンのバクーまで行くべく、現在乗り継ぎでここにいるわけですが、
航空券をロンドンからトルコ、トルコからアゼルバイジャンと別々に購入してしまったため、ヒースローの空港職員の方からは『イスタンブールの空港でアゼルバイジャン行きの航空券を発券してください』と言われております。
そのようなわけで、どこでアゼルバイジャン行きの航空券を発券してもらえば良いでしょうか?」
と、先ほどよりもさらにわかりやすく説明したところ、そのインフォメーションデスクのおじさまからは、
「あ?あんたトランスファーデスク行きたいのか?」という希望に満ちた応え。
ついに「トランスファーデスク」というパワーワードを引き出す事に成功!
「そーですそーです!それですそれです!そのトランスファーデスク行きたいんです!どこですか!?」
と前のめりで尋ねると、アゴで方向を指しながら「あっち」とひとこと。
…あっち?
アゴ差しする方を見ても、デスクらしきものは見当たりません。
「あっち?」と聞き返すと、
「そう、あっちだよ、あっち」(再びアゴで方向を差しながら)
「え?…あっち…」
「そう、あっち!」
「あっち…あの、具体的には…」
「だーかーらー、あっちだってばよあっち!!15mくらいいったとこ!あっち!!」(ほぼキレ気味)
インフォメーションの人にしてはキャッチボールが全て暴投気味。
これ以上「あっち、15m」以上の答えを引き出せそうもないと判断し、その「あっち」と思われる方角の、15mくらい先のところに行ってみました。
が…
案の定そんなデスクねーわー…(しょぼーん)
とはいえ、また戻っておっさんに聞くつっても、俺には凄惨な未来しか見えません。
とにかくここは俺一人で乗り切るしかない!ってことでその辺をウロチョロしていると、何かこちらとの世界を隔絶しているような謎のガラス扉を発見。しかし、鍵がかかっているようでこちらからは開かない模様。
明らかに「トランスファーデスク」感はありませんが、その扉の向こうに二人ほど警備員らしき人がいたのでガラス越しにキョロキョロ覗いていると、不審に思ったのかこちら近づいてきて自動ドアのロックを解除、扉を開けてくれました。
なんか違うような気もするけど、ダメ元で「あのぉ、トランスファーデスクを探してるんですが…?」というと、
「あーはいはい、どーぞ中入って」と警備員の人は謎の空間に迎え入れてくれました。
やったー!ついに救われた!なんだー、おっさん疑ってごめんよ!と手を合わせつつ、意気揚々「発券してほしいんですが?」と尋ねると、
「トランスファーデスクはここじゃないの。あそこの扉を出て、そこから真っ直ぐ行ったとこにあるから」と、別の扉を指差しながら説明してくれました。
どうやらその謎の空間は、出国前のエリアと出国手続き後のエリアを隔絶する、どちらともつかない、トワイライトゾーン的な領域らしいのです。
確かに俺も、航空券を持たずに「出国後エリア」にいるってのもおかしな話ではあります。でもないんだから仕方ない…。
…え、どういうこと!?
いやいや、悩んでる暇はありません。そうこうしているうちに出発まで1時間切ってるし!
とにかく指示された方向に、またも汗だく早歩きでトランスファーデスクに急ぎます。
つっても、どこよートランスファーデスク!!!
広いよ!!
この表示を頼りに進んでいるのですが、いたるところに「Transfer」と書かれているゲートがあって、そこで聞くたびに「もっと先」と言われる始末。
「あと一歩、あと一歩…」と自分に言い聞かせ前進していくと、、、
あったー!!!ありました!!!アゼルバイジャン航空のトランスファーデスク!!!
しかも、運良くそれほど並んでないよ。2人くらい?
まぁすぐっしょ!と余裕ぶっこいて、汗をふきふき並んでいると、、、
あれ?全然進まねえんだけど……
トラブってんのか、仕事が遅いのか、一向に。。。
しかも、他にもスタッフが数人いるのに、ゲラゲラくっちゃべってるし…。
もしここが日本なら、暇そうにしてるスタッフが「どうされましたかー?」つって、駆け寄ってきて手続きを進めてくれそうなもんだけど、、、
そうだよな!
就業時間外だものな!!
そうここはトルコ!さっき学んだばっかじゃねーか!!!
THE 働き方改革!!
我慢だ…じっと我慢だ…
しかし、そうこうしてるうちに、出発時間も残り50分きってる…。
だいじょうぶ…
きっとだいじょうぶ…
あるある・る・る♪愛がある♪きっとだいじょうぶ〜♪って西田ひかるも言ってた!
「何が大丈夫やねん!!!」
と葛藤しながら待つ事15分ほど、ついに俺の番に!
この15分が、30分にも1時間にも感じられたよね。でもようやくここまで漕ぎ着けた。とにかく発券!発券!
「かくかくしかじかこういう理由でチケットがありません!バイジャン行きの発券おなしゃす!!」
というと、スタッフのオネエさんは、「あぁ、はいはい、パスポート見せて…」と言いながらキーボードをパチパチやり始めたのですが、どういうわけか時々その手が止まります。
どしたどした?俺急いでるねんけど!
俺のパスポートとかチケになんか問題あった!?と思いながらそっとオネエさんを覗き込むと、驚愕の場面に遭遇…。
めっちゃスマホでテキスト打ってるやんー……
しかも私用っぽいやつ……
スマホ世代かな?
ガッツリスマホ世代、なのかな?
まぁまぁ、みなさん、
仕事遅い理由それちゃうんげぇゴラぁぇぇ!!@$#%%!!
っていう気持ちもわかる、わかるよ。
でもみんな、怒んないであげて!
さっきも言ったけどさ、もしかしたら時間外労働なのかもしれないし、めっちゃ仕事の返事かもしれない!
そう、これもきっと働き方改革の一環!!
うん、きっとそれ!
だからみんな一旦落ち着こう!
はい、深呼吸!!!
どう、おちついた?
オッケー?
次いくね!
ひととおりスマホとスタッフとのおしゃべりを終え、再びパチパチやりはじめたオネエさんですが、しばらくすると時折、渋い表情を浮かべ始めます。
え、なになになに…やっぱなんかあった!?
と不安げに覗き込むと、オネエさんの口から予想だにしない衝撃の一言が!!
「この便、満席なのよねー」(しれっと)
は?
…満席?
蚊の哭くような俺のつぶやきに対し、蜂のひと刺しのような勢いで返事をくれるオネエさん。
「そう、満席」
はぁ…。
なにこのズンドコ。。。
この時、俺の脳裏には、これまでのいろんな想い出が走馬灯のように駆け巡りました。
FAカップ決勝ハル・シティ戦、チケットサイトで買ったチケを試合前日勝手にキャンセルされ、当日ギリで買ったチケで見たウェンブリーの素晴らしき絶景。
次の年のFAカップ決勝のヴィラ戦、「今度こそアーセナルスタンドで!」と、ネットで勢いに任せて購入したチケが偽物でゲートすらくぐることが出来ずオロオロしていると、
ネギを背負わされたカモが俺だけではないことが判明。
その瞬間ほっと胸をなでおろし、見ず知らずのお互い同士、偽物のチケを見せ合いながら芽生えた謎の友情と連帯感。
みんなで窓口に駆けつけたなぁ…。
「(詐欺師に)なけなしの高ぇ金払ったんだ!入れてくれ!」つって…
でもウェンブリーのスタッフには、
「これ偽物ですよ?次回から気をつけてくださいね」
って諭されたっけ。
そんな感じで、あんなことやこんなこと、悲しかったことや楽しかったこと、様々な想い出が頭をよぎりました。
今回もそういう結末を迎えちゃうのかなぁ……。
もしかして、そのほうが俺的には美味しい…否、グーナー的に成長するのかもしれねえなぁ…
それでもいっか…
いやいやいや!!
よくないよくない!!!
映画『ターミナル』の主人公もこんな気持ちやったんかもしらんなぁ…
いやいやいや!!
ちゃうちゃうちゃう!全然ちゃうから!!!
そんな妄想と自問自答を何分くらい続けていたでしょうか…ふと虚ろな目でオネエさんに目をやると、何かやり切った表情がみて取れます。
明日の21時着(試合開始2時間前着)の便でも取れたのかしら…。
バクーの空港出るのに30分?空港から街中まで1時間?荷物持ったまま試合行けないから、ホテル寄ってから会場入りだと、とっくに試合始まってんだよなぁ…てか、ホテルつってもAirBnBみたいなとこだからフロントもなさげだしなぁ…
だったらいっそ、トルコでDAZN見ながらダズーンした方がいーんじゃねーかなー…とも思ったり。
しかしオネエさんからの口から飛び出た衝撃の一言に、無宗教の俺は神の存在を実感したのです。
「はい、取れたわ」
「え…?この便で取れたんすスか?」
「うん、とれた」
「あざざざざざーっす!!!」(大号泣&大発汗)
この時、大げさでもなんでもなく、世界中の神に感謝したよね。
そして時計の針は既に搭乗20分前、変な汗の臭いを気にする間も無く、ダッシュでゲートに向かったのは言うまでもありません。
そんな紆余曲折を経て、なんとか搭乗することが出来たわけですが、、、
なんと座席がビジネス!!
オネエさんの言う通りエコノミーは満席だったようで、ビジネスに振り替えてもらえたのでした。
なにこの九回裏二死満塁逆転ホームラン感!?
間違いなく、この旅の運は使い果たした!!
そして、流した汗は嘘をつかない!!
てか、「1時間前に来て」って言ったやつの通りにしてたら、間違いなく俺死んでたわ、あぁ。
人は信じちゃダメ。自分を信じろ!!
その後ビジネス3時間空の旅を満喫させていただきました。
ウェルカムドリンク飲みまくりーの、
さるザップ中なのに夜中に飯喰いまくりーの、
いやでも、ビジネスクラスはゼロカロリー!
このドライフルーツは甘すぎて喰えねえ!
ただビジネスとはいえ、アゼルバイジャン航空。
機体が古い!!
これ灰皿だよね???
旧ソ連の払い下げ品デスか???
当然モニターもないので、ビジネスにはなんとiPadが配布。
バイジャン語?
わかんないので、日本語に変更しましたけど。
カオリン推しの『ダイハード』も完備。
見たかったけど、今回は、中川家・剛絶賛の『ボヘミアンラプソディー』を。
そしてヘッドホンが超豪華。
しっかりノイズキャンセリングがついていたので、クイーンに没頭することが出来ました。
というわけで、飛行機嫌いの俺でも、怖ろしく古い機体によるストレスもなく、なんとか無事決戦の地バイジャン・バクー到着!
そして朗報!日本人だけはビザ即日無料発行!
ODAに感謝!!
意気揚々、スキップしながらパスポートコントロールへ。
しかし、イミグレスタッフの人がビザを返してくれなかったので「返して?」つったら「あーはいはい」つって返してくれたんだけど、
よくよく見たら、そのイミグレの人、仕事よりも飯に夢中でした。
普通にスタンプ押しながらもぐもぐ飯喰ってました。
心なしか酔っ払ってる感も。
…きっと気のせい!
ロンドンから苦節17時間強?晴れてゲートを抜けるとラカとエジルがお出迎え!
やったー!!
この時点で俺の目的ほぼ達成!!ひゃっほー!!
そこからバスに揺られてバクー中心地まで。
しかし、深夜3時すぎ、見ず知らずの街のど真ん中に放り出される恐怖たるや…。
なんか、公園とかにも人たむろってるしさぁ…。
とにかく宿までの20分は、全く生きた心地せず。
時折すれ違うチャリやバイク、そして横付けしてくる車に対し、必要以上心の拳を握り、タイヤの壊れたスーツケースをギコギコ引っ張りながら、見知らぬ薄暗い街を早足で駆け抜けたのでした。
つづく
コメント
オーバーブッキングからのビジネスへのアップグレード最高ですよね。自分もありました。エアインディアですけどね、、、
ドンノー!!www
キレたらアカン時あるねんなぁ。。。香港の空港スタッフにキレまくったことあったけど、あれも我慢してたらファーストクラスへのご栄転あったんかもしれん
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