4月9日フィリップ殿下が薨去(こうきょ)されました。
※タイトルでは「逝去」と書きましたが、正確には薨去です。
It is with deep sorrow that Her Majesty The Queen has announced the death of her beloved husband, His Royal Highness The Prince Philip, Duke of Edinburgh.
His Royal Highness passed away peacefully this morning at Windsor Castle. pic.twitter.com/XOIDQqlFPn
— The Royal Family (@RoyalFamily) April 9, 2021
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世界一有名なグーナーを妻に持つ夫フィリップ殿下薨去
フィリップ殿下と言われてもピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、この方です。
A husband but never a king
Prince Philip — who he was, what he did and why he mattered https://t.co/djL1JfJ8Xk
— BBC News (UK) (@BBCNews) April 10, 2021
エリザベス女王の夫。
つまり、
世界一有名なグーナーを妻に持つ旦那様です。
そんなフィリップ殿下が、4月9日ウィンザー城で薨去(こうきょ)されました。99歳でした。
※「薨去」の記述に関しては、崩御ではないにせよ、薨御、逝去とどれが不敬ではないのか意見が分かれるところではありますが、「死亡」だけは全くもって不適切です。そんなこと俺に言われたら終わり。そんな見出しを打った某通信社はドチャクソ反省してください。かくいう自分も「薨去」という言葉は初めて耳にしましたが。
また各社報道の見出しも「英女王の夫」や「エリザベス女王の夫」など「じゃない方芸人」みたいなノリで報道しているところが多数見受けられました。これもいい加減にしてください。
と言いたいところですが、これは仕方ないところかもしれません。妻のエリザベス王女がイギリス女王に即位してからは、完全に裏方に徹し、文字通り陰日なたとなり、一切表に出ることなく献身的に女王を支えてこられました。これに関しては「そうそう」と殿下も笑って許してくださるに違いありません。それくらい心の広い方だったと思います。
そんなフィリップ殿下の正式称号は「エディンバラ公爵フィリップ王配」(エディンバラ公とも呼ばれています)。
そんな英国然とした称号を持つ殿下ですが、家系はギリシャおよびデンマーク、ノルウェー王家のご出身で、まさに白馬に乗った王子様(乗ってないけど)。若かれし頃から高貴なオーラがマジハンパありません。
アーセナルサポの女王が放っておくわけがないのです。
THE 英国紳士のフィリップ殿下
ところでフィリップ殿下を調べていると、Wikiに非常に興味深い項目を発見しました。
それが「失言」という項目。
殿下の人となりを知る上で非常に重要な項目であると思いますので、シェアさせていただきます。(あくまでWikiですので話半分で)
「我が娘が学校のアートレッスンから持ち帰ったもののように見えますな」(1965年エチオピアで最古とされている芸術作品を鑑賞した際に発言)
「英国人女性は料理ができない」(1966年)
「我々は、来年赤字を出すだろう。私は、ポロを多分諦めねばならないだろう」(1969年王室の財政問題について記者会見で発言)
「国民は、我々の生活にはもっと休みが必要だと言ってたくせに、今度は仕事がないなどと文句を言っている」(1980年代の不況時に発言)
「あなたは女性ですよね?」(1984年ケニア訪問時、現地人女性に質問)
「ここに長くいたら、(中国人みたいに)目が細くなりますよ」(1986年中華人民共和国訪問時、西安に留学中の英国人学生に向かって)
「生まれ変わったら、死のウイルスになって人口問題を解決させたい」(1987年、著書の序文で)
「あなたたちはほとんど海賊の子孫なのではないのですか?」(1994年ケイマン諸島訪問時、現地人に質問)
「なんとか食べられずに済んだのですね」(1998年パプアニューギニアを探検した学生に発言)
「うん、この工事はインド人がやったに違いない」(1999年スコットランド訪問時、ワイヤーが外れたヒューズの箱を見て発言)
「きみは太りすぎているから無理だろう」(2001年「将来宇宙飛行士になりたい」と語った12歳の少年に返答)
「まだ槍を投げ合っているのですか?」(2002年オーストラリア訪問時、オーストラリア先住民ビジネスマンに質問)
「どうやって免許取得試験中、スコットランド人は酒を飲まないようにするんですか?」(スコットランド訪問時、現地の自動車教習所の教官に質問)
「このくそったれ!」(1997年相手がフィリップと気付かず、駐車違反の切符を切ろうとした警察官に対して)
「耳が聞こえない? このバンドの近くにいたら、不思議じゃないですね」(打楽器のバンド演奏の際、聴覚障害者に発言)
「おお嫌だ、酷い病気にかかるかもしれないじゃないか」(1992年オーストラリア訪問時、コアラを撫でるように頼まれた際の返答)
「君はこの生地でできたショーツを持ってるの?」(2010年エディンバラでタータンチェックの生地を見ながら、スコットランド議会の女性議員に発言)
「君はストリップクラブで働いてるの?」(2010年ナイトクラブでアルバイトをしている女性の海軍士官候補生に発言)
「君達はみんなここでNHSを管理しているから、フィリピンは空っぽになったんだろうね」(2013年フィリピンから出稼ぎに来ている看護師に発言)
「さっさと写真を撮れ、この野郎」(バトル・オブ・ブリテンの75周年式典で写真撮影の際、撮影時間が掛かったことに対しカメラマンに発言)
「イギリスでは、親が子供を学校に行かせるのは家に居させたくないからだよ」(2013年10月 マララ・ユスフザイがバッキンガム宮殿に招かれて学校教育の重要性を説いた自著を女王夫妻に手渡した際の返答。マララは笑って受け流した)
Wiki
もしこれがガチだった場合、実にギャップ萌えの愛すべき英国紳士であったことが伺えます。
特に警官に駐禁切られそうになった時の「くそったれ!」というご発言。
おそらく「F@ck」か「$hit」のたぐいではないかと推測されますが、
以前英国の語学学校で「F@ck」は、名詞、動詞、形容詞、副詞、接続詞…とにかく全てに変化することが可能な世界一便利な言葉であると習った記憶があります。
そんな庶民に寄り添った殿下、ステキやん…
英国人みんなに愛される理由がなんとなくわかったような気がします。
フィリップ殿下とアーセナルの関係
そんな殿下。少なからずアーセナルとも親交がおありになられたようです。
( Arsenal.com )
FAカップ表彰式
「誰かしらんが、妻のためによくがんばってくれたねぇ」
エミレーツの除幕式?
「ほぉ、そこそこステキな石だねぇ。」
キングアンリと共にエミレーツを訪れ
(セスクの隣ソングじゃないよね???)
「はっはー!なかなか見事なスタジアムじゃないか!嫁が好きになるわけだ。ダハハハハ」
とおっしゃられたかどうかはわかりませんが、殿下とアーセナルの関係は、エリザベス女王が王位を継承されたわずか8か月後の1952年10月からのようです。
そしてこの度の薨去。
翌4月10日、フィリップ殿下を追悼し、英国内で毎分1発40分間に渡り計41発の礼砲が発射されたのですが、
ロンドンでの発射場所は元王立兵器廠のあったウーリッジ。
ご存知の方も多いとは思いますが、ウーリッジとはアーセナル発祥の地です。
この世を去られてなお、アーセナルとの関係を想起させてくださるフィリップ殿下に敬礼。
ところで、以前はロイヤルファミリーが亡くなられた際、フットボールの試合はキャンセルや延期があったようですが、最近では通常通り行われているようです。
This weekend’s football matches won’t be cancelled or postponed, as has previously happened when royals have died.
— Miguel Delaney (@MiguelDelaney) April 9, 2021
ですが、試合前黙祷が行われます。
明日の試合前、黙祷が行われた際は、世界一有名なグーナーを妻に持たれたフィリップ殿下のセレモニーですので、是非手を合わせていただければと思います。
愛すべきフィリップ殿下に合掌。
コメント
サッカーをはじめ、英国から多くの事を学んだ国の人間として、心よりお悔やみ申し上げます。………これも多分不適切ですが。
興味深く読みました。色々理解できました。似たような思考法は日本にもある。ただ、出すとかなり下品になる。
私はこれをさえ超克しなければ、という立場ですが、典雅な品格に敬愛。魂の安らかなることを。