アーセナルDNAを継ぐ漢、かく語りき!
The Athletic オーンステイン神による、ジャック・ウィルシャー衝撃インタビュー。現在の状況、怪我のこと、そして今のアーセナルに思うことなどを赤裸々に語っています。
ジャックファンのみならず、グーナー必読のやつ。是非ジャックのコスモを感じてください。
( The Athletic )
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「俺はまだ死んじゃいない」ジャック・ウィルシャー インタビュー
まぁぶっちゃけ、自分がこの立場になるとは思ってなかったスね。
今日は競技場のトラックを走って来たっスけど、まさか自分がって感じで。選手としてはやっぱ28、29ってのがピークで、まだイングランドのトップクラブででプレーしてると思ってったっスからね。
うちのガキもいろいろ判断出来る年齢になってきて、特に9歳のアーチーは『MLSとかどーよ?』とか『なんでリーガでプレーしないの?』とか色々言ってくるんスよ。
アイツもフットボールが超好きなんで、もうなんでも知ってんスよね。『なんでどこも声かけてくれないの?』なんて訊かれても、説明すんのがめっちゃムズイんスよ。
学校のダチも色々知ってんスよね。「なんでお前のパパ働いてねーの?使えねえの?やっぱフットボール下手くそなん?」とか色々言われるわけっスよ。それは子供にとったらめちゃめちゃキツイっスよね。
それと下の二人(シエナとジャックジュニア)は、自分が球蹴ってんの見たことないんスよ。朝「トレーニング行く」つって出てくるんスけど、ぶっちゃけ「どこに行くんだ?仕事はなんだ??」って思ってんじゃないかなあって。
上の2人は自分のアーセナル時代を覚えてるんで、自分がイングランドでプレーしたのも覚えてるっスね。そういうのもYouTubeでも見れるじゃないスか。そういう意味ではラッキーだし、街を歩くと指差されたりするんで、そういう選手だったんだってのはなんとなくわかってるスけど、『イギリスのクラブでプレーすれば?』って言われた時に説明するのはやっぱムズイっすねぇ。『誰も欲しくないんだよ?』って言ってもまだ理解出来ないっつーか。
時折、それは一線を越えることがある。彼の子供が学校で「ジャック・ウィルチェアー(車椅子)」とバカにされたと帰ってきたことがある。ウィルシャーは、彼が個人的に傷ついたからではなく、それが息子に与えた影響のため、その少年の父親と話し合ったこともある。
そしてその嘲笑は、10年前、ウィルシャーのキャリアを奪った足首の怪我に関係している。
しかし彼はその後幾度となく復活を遂げ、たくさんの輝かしい瞬間を演出した。ノリッジ戦で挙げたゴールはプレミアのシーズンアワードを獲得したし、ユーロ2016予選の代表にも選出されている。しかし完全復活とまではならなかった。
アーセナルを離れるべきではなかった
ぶっちゃけ、絶対出るべきじゃなかったっスね。ハムがどーこうじゃなくて、やっぱアーセナルは離れるべきじゃなかった。
(16-17ローン先の)ボンマスから戻って契約も残り一年って時に、ボス(ヴェンゲル)と話をしたんスよ。そしたらそん時は『(クラブを)出てもいいよ』って話で。ただ、ボスが自分を買ってくれてるのも知ってたし、コンディションさえ上がればスカッドに戻れると思ってたんで楽観視はしてたんスけど、問題はその後で。
監督がエメリに代わって『自分の構想には入っていない』って話をされた時はさすがにキレたっスね。ブチギレて帰って。そんですぐエージェントに電話して「俺、出るわ」って伝えて。
でももう一度、落ち着いて考えてみるべきだったと思ってます……
ウェストハム退団後、1月ボーンマスに再加入したジャック。しかしその後延長はされず、それ以降プレーの機会はほとんどなかった。
現状心配してないって言ったら嘘になるっスね。もちろんヤバイと思ってるし、ハムを退団した時も今みたいな状況でキツイ状況だったし。
そのあとボンマス行って試合(17試合、11先発)で十分アピール出来たと思ったっスけど、今こういう状況っスからね。思ったような感じにはいってないっスね。
キャリアの終焉?
ほんとキツイっすね。まだどっかに所属してれば、週末のアピールのために毎日キツイ練習が出来るんスけど、今は『あ、そうだ、どっかで練習しなきゃ…』って状態で。正直モチベがないっっていうか。『俺は今なんのためにやってんだ?』みたいな。
ハムを辞めても楽観視してた部分はどっかにあったんスけど、こんな状況っスからね。朝起きてトレしなきゃいけないのに、でもなんでトレしなきゃいけなんだ?みたいな、毎朝が自問自答で。
先日、寝る前に嫁と話したんスけど、「明日もトレーニングしなきゃいけないけど、なんでやらなきゃいけなんだろうと。他のことにシフトした方がいいんじゃないか?例えばコーチングライセンス取るとか。時間もあるし」って言ったら、嫁は『いやいや、まだ出来るよ!まだキレッキレじゃん』って言うんスよ。
だから俺も思わず、そうは言うけど、それだったら、少なくともどっかが俺にチャンスくれんだろ?と。だったらそれを証明させてくれるチャンスくれよ!と。
どこまでやんのかってのは…正直わかんないっスね。今は「とにかく続けてる」って感じで…..
ウィルシャーはどこへ向かうのか?
ぶっちゃけ、イングランドのドアはもう閉ざされちゃったかなって気がしてるっスね。理由は…なんスかね。ちょっとわかんないっスけど、おそらく、これまでの怪我のアレが糸引いてんじゃねぇかなって。フェアじゃない気もするっスけど……。
海外も考えてはいるんスよ。何か違う景色を見てみんのもいいかなって感じで。それは自分にとっても、家族にとっても。誰も知らない場所で新たなスタートを切るってのもいいかなって。「ジャック?また怪我するだろ」とか「5試合だけだろ?投資の無駄!」とか言われそうっスけど…
最後の怪我は2020年1月っスね。みんな足首だと思ってたと思うんスけど、じゃなく、あんときはヘルニアっスね。ありがちな。それで10日休んで。でもそっからはずっとコンディションキープしてるし、ウェストハムいたときは一度もセッション逃してないスからね。
毎日トレーニング続けて、そっからボンマス行って。そこでもゲーム出て、トレーニングも休まず続けて準備は出来てるんで、俺はただそれを証明するチャンスが欲しいだけなんスよ。それをボンマスで待ってたんスけどね…
お前仕事欲しいからそんなこと言ってんだろ?って思われると思うっスけど、マジそんなことないんスよ。コンディションは今が過去最高だし。今は自分自身でかなりガチ目に体調管理してるし、リハビリのプログラムとエクサをずっとやってるっスから。それをすることで自分自身ステップアップできたし、間違いなく今の自分がいるっスからね。
5年前、陸上競技場のトラック走れって言われたら、「は?何言ってんだ?」ってなってたと思うんスよ。でも今は自分が何をすべきかわかってるし、マジどこも痛くないんで、100%のジャック・ウィルシャーなんスよ。それを証明する方法は、やっぱデカイ相手と対戦することだと思ってるんで。
これまでほんと素晴らしいキャリアを歩ませてもらってきたっスけど、それでもやっぱ物足りなさはあって。俺にもそれなりの家はあるし、健康な子供も4人もいて、いい学校にも通わせてもらってるっスけど、でもやっぱ、そうじゃないって思う部分はどっかにあるんスよね。
「金を稼ぐ」ってことよりも、俺のバイブスの部分っていうか。アーセナルで一軍上がったときは楽しんでプレーしてたっスけど、それだけじゃなく、戦うための感覚を取り戻したいっていうか。
メンタルのキツさ
「凹んだことがあるか?」ってのは正直自分でもわかんないっス。ってのは、「凹んだことなんてない」と自分で思いたいからってのもあって。ただこんな感じはマジ初めてなんで、ちょっとわかんないっスね。
一人でトレーニングしてる時とか、一人で車を運転してる時、どこまでも沈んでいく感覚っていうんスかね、そういうのを感じちゃって……もちろん誰にでもそういうことはあると思うんスけど……。
自分が言いたいのは、とにかくフットボールがしたい、球が蹴りたいってことなんスよ。自分の中にまだそのハングリーさが残ってるんで。なので、他の人には「かわいそうなジャック。仕事失ったけど、金はあるし、家で子守でもいんじゃね?」とか思って欲しくないっスね。
朝起きて、トレーニング行って、若い奴と一緒に蹴りたい。特にファンも戻ってきたじゃないスか?自分もテレビで観てたっスけど、俺ももう一度あの場に立ちたいと思って。ピッチで、サポの声を聞いて、もう一度フットボールがしたいと。
今のアーセナルに思うこと
ウェストハムのサポとして育った彼は、9歳でアーセナルに入団した。アーセナルユースの最高傑作とも言われた彼は、今もアーセナルとは強い絆で結ばれている。
やっぱ順位を見るときは未だブルっちゃいますね。ただ一つだけ言いたいのは、アルテタは間違いない人間だってこと。もちろんSNSとかでめちゃくちゃディスられてるし、追い出したいって奴も一部にはいると思うっスけど、そういうことじゃないんスよ。彼は間違いなく何かを創り上げたいと思ってるし、それを一からやってるわけっスから。そらぁ一筋縄ではいかないっスよ。時間はかかる。
もちろん俺がいたときは、最悪でもCLは出場してたわけっスから、それに関してはキツイっスよ。あんときはマジ凹んで…俺たちはCLにいる必要があるし、そのために戦う必要があるっスけど、ぶっちゃけ現状それが出来てないわけだし、今はELすらないわけだから。
でも、俺は全然諦めてないっスよ。イキのいい若いのがいっぱいいるっスからね。マジで、俺、ラムジー、ギブス以来の過去最高だと思ってるし。
でも忘れて欲しくないのは、若いのには時間が必要なんスよ。
俺ん時と違うのは、あん時はワールドクラスの選手のサポートがあったっスからね。セスク、ロビン、ナスリ。めちゃめちゃ最高の選手だったし、そっから自分も沢山学ばせてもらって。
そういう意味でも今の若い選手は、プレッシャーも凄いだろうし、責任感も伴ってくるし、もう少し時間がかかると思うんスよね。スミスロウは開幕ブレントフォードでマジ一人異次元だったっスけど、それをサポートしてくれる、後押ししてくれるものがなかったじゃないスか。そういう意味でも、やっぱ時間をあげて欲しいっスね。
了
さいごに
現役選手がここまで赤裸々に語ることなど、今まであったでしょうか。
自らの子供から突きつけられる「何故自分はプレー出来ないのか?」の自問自答。
腐ってもクラブの一時代を築いたトッププレイヤー。普通はプライドが邪魔して、ここまで話せる選手はなかなかいないと思います。
でも、「そんなプライドいらねーわ!」っていう姿勢が実にジャックらしく「俺たちのジャックはまだ生きてる!」って気がしてね。
そこまでしても球蹴りがしたいジャックの心の叫びみたいなものを感じて、改めてその生き様、そして死に様を見届けてやりたくなったわけです。
また、ガチグナの一面も併せ持つジャックの「アーセナルには時間が必要だ」って言葉。
グッサグサきたよね。
そして極め付けは、ジャックから出た「ラムジー」というワード。
あの犬猿と言われたラムジーを、「過去最高のメンバーの一人」と言い切ったジャック。
大人になったなって思うよ。
そうなのよ。
このインタビューで一番感じたのは、「ジャック可哀想」ではなく、「ジャック、立派になったなぁ…」ってとこなんだよね。
夜の街ほっつき歩いて素人と小競り合いしたり、オフにはタバコ吸ってる姿をパパラッチされてたあのジャックがよ、ここまで立派になったのかと。
試合から離れることで一回りもふた回りでもデカくなったってのは最高の皮肉ではあるけれど、過去主演だった人間のそういう一面を見られたことは、「アーセナルという大河ドラマ」を見ている自分としては嬉しい限りなのです。
そんなジャックは現在、イタリア、セリエBのコモというクラブで、新たなスタートに向け練習を開始したようです。
🗣”It is a good time for me to change and have a new start.”
Former Arsenal midfielder Jack Wilshere talks about how he is training with Serie B team Como and explains how he was invited to train with the Italian club by Dennis Wise. pic.twitter.com/jBgQyM6dmg
— Football Daily (@footballdaily) September 2, 2021
今のところコモに所属ということではないようですが、これまでずっと一人でトラックを走ってきたジャックが、ようやく得た自分の居場所です。
ジャック、
マジ場所なんてどこでもいいからさ、
お前の大好きなピッチで、思う存分暴れる姿を見せてくれよ。
俺は待ってる。
この再スタートが、そのきっかけになることを祈って。
コメント
チェルシーのオーナーを超える大富豪が所有!? イタリアの古豪クラブ、コモとは?|【前編】細江克弥&北川義隆が語る『Como1907:カルチョに挑んだアメリカ人CEO』
https://www.youtube.com/watch?v=XX8UuSUDsFI
このDAZNの動画を見ていたので、ジャックがコモにいると知った時は
きっとオーナーのプロジェクトの熱に乗ったんだろうな!と思いましーた!
順調に彼のストーリーがうまく進んでいくことを祈っています!
コモはA移籍のために一時練習するだけみたいです。
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