5月6日、2025年までの契約延長を発表したミケル・アルテタのロングインタビューです。
まさかのことが判明しましたので、ざっくり長州調でその悦びをお聞きください。
( Arsenal.com )
スポンサーリンク
ミケル・アルテタ ロングインタビュー
契約延長おめでとうございます
まぁ今は、昂っているというか、感謝しかないよな、あぁ。オレは世界一の幸せもんですよ、うん。
役員やオーナーとの関係については?
まぁ、上の人間と接して感じるのは、共感というか共鳴というか、同じゴールに向かって進むための信頼だよな。ジョジュ(バーネットじゃない方)と一発目話した時、そういうのがピーンと来て…そういうエナジーみたいなものを感じたというか。
まぁ野心というか、温度感というか肌感というか…見てる方向は一緒なわけだし、そういう中で、スタン、ジョシュ、彼らと話したことは常に具現化されてきてますよ。そういう意味でも、コミットメントというか、やってることは間違ってないと思うし、オレも満足ですよね。
そんな中で、オレ自身、エドゥ、リッチ、ティム・ルイス、そしてヴィナイっていう現場の人間がいてこのプロジェクトは動いてるわけだから、うん。当然重要な存在ですよね。
発表のタイミングについて
団体としては、可能な限り早くの発表を望んでたよな、あぁ。望んでいて……今俺たちがやってることであるとか、コーチはじめ、方向性であったり、信頼と信念もってやってるわけだから。
そんな中で、最後の一押しというかブースト的な意味合いもあるし、まぁあとは夏だよな。夏にオレたちの意志というか、そういうのを明確にする前の意思表示ってのもあるし、今しかないぞ!っていうのがこのタイミングで。
「よく聞け!オレたちは全くブレてない。一緒に旗立てよう!」
そういうのを伝える最良のタイミングが今だったというか。特に迷いはなかったですよ。
これまでの成果について
オレのメインの目標というか、役目は、この団体を代表して団体を護ることと、団体へのリスペクトを示すっていう価値観を植え付けることで、それをスタッフにどう浸透させていくかっていうのがオレのミッションなわけだから。
二つ目は、明確に「自分を持つ」ってことだよな。オマエは何がしたいのか!どうありたいのか、そのためにはどうするかってのをクリアにして、まぁその辺が受け入れられているところだと思うし、ひいては団体やファンの結束にも繋がっていくんじゃないか?あぁ。
2シーズン半で2つのトロフィーを上げることが出来たけど、まだまだ先はあるよ。でもそれは、未来を築く土台にはなってますよ。
短期的、長期的な抱負は?
この団体を次のレベルに引き上げて、トップの団体と競争できるチームにすること、うん。それには、チャンピオンのリーグ戦で戦う必要があるよな。それは最低条件で。
このままチームを上げて、選手であったり全てのアレを改善して、ファンとの結束も深めてエミレーツの雰囲気を上げていくっても大事でもあるし、その目標を達成するためには、最高の才能と最高の人材を採用する必要があるよな。
この旅においてファンはどれほど重要な存在でしょうか?
言ってみれば、ファンはこのプロジェクトにおけるビッグウェーブだよな、あぁ。大いなる後押しをしてくれる存在というか。
ここ2シリーズ(コロちゃんで)そばにいなかったわけだから。会場の雰囲気を作って、オレが選手に求めるものを引き出してくれる存在がファンなわけだから。正直、それがあったからすべてがうまく回りだしたってのもあるよな。ほんとに、そこにファンがいるといないのとは別物ですよ。
チャレンジ精神はあるか?
あぁ、それはあるよ。もちろんある日突然、ネガティブに堕ちたときは、すべて変化してしまうこともあるし、すべてがうまくいっている時でも、ガラッと崩れ落ちることもあるしな。そういう意味でこの仕事は、その瞬間瞬間が勝負だよな。
この勢いを持続したいですね?
チームは本当に頑張ってますよ。日曜、ここで対戦するわけだけど、全力で向かって、うん。オレたちは今、殊更良いポジションにいるわけだから。そのために命かけて戦ってきたし、そういう中で、日曜オレたちのホームでリーズを再び打ち負かすために、このバカでかいエネルギーの球をぶちこむ準備は出来てますよ。
よし、腰あげるぞ!
ミケル・アルテタ 前代未聞のオファーの全容
そしてこのインタビューには収録されていませんが、こんな仰天内容の言葉も…
Mikel Arteta: “The club offered me the contract when we lost three matches. I went like this, chapeau & go. That doesn’t happen in football. I haven’t ever seen it & I got emotional when I see it because I just said, ‘These guy are serious & committed’, so I better push forward.” pic.twitter.com/5fk2MYxrXI
— afcstuff (@afcstuff) May 6, 2022
クラブから契約延長のオファーを受け取ったのは、3連敗の後ですよ。まぁ、この業界において、こんなことはまずありえないよな、あぁ。ありえないッ!
オレ自身、こんなのは初めてというか、見たことがないし、なによりアイツらの本気を感じたよな。感情も昂って、当然何も迷いはなかったですよ。
そして注目すべきはこれ。。。
ヴェンゲルがホーム・エミレーツに別れを告げた日が、4年前の5月6日でした。
そんなメモラブルな日に、同じ場所で、ヴェンゲルの教え子が契約にサインをする、この意味。
アーセナルとは筋書きのないドラマである。
これは俺が常々言ってる言葉ですが、アルテタの契約延長を見てもわかるように、アーセナルというクラブはドラマ以上にドラマ。
その根底には「人を人として扱うクラブ」という哲学が存在すると思っています。
選手はコマのように扱われ、戦績が悪ければ監督の首がすげ替わる昨今のフットボール業界において、ここまで人を大事にするクラブはなかなかないと思うし、3連敗後に契約延長のオファーを出したというのがなによりの証拠。
これがCLASSってやつだよ。
アーセナルのモットーは、
「勝利は調和の中から生まれる(Victoria Concordia Crescit)」
そんな同じビジョンを共有するアルテタの言葉。
自分のミッションは
「団体を代表して団体を護り、団体へのリスペクトを示す価値観を植え付けること」
この言葉に今回の延長の全てが集約されていると思うのです。
そこにはクラブの理念や哲学があり、それを選手やスタッフ、サポーターが共有し、アーセナルというクラブを未来へと紡いでゆく。
そんな歴史を作る「ど真ん中」にいるのが、このミケル・アルテタという漢なのです。
実際、リスペクトが欠如していると思われる選手は、どんなスーパースターであろうと姿を消していきました。
フットボールは勝負の世界。試合に勝つことは至上命題。目の前の勝利だけを求めるのであれば「選手を干す」という行為は完全に悪手。逆にサポと決裂し移籍を決意したジャカを説得し、出場機会は少なくてもエルネニーやホールディングなど、クラブに忠誠心のある選手は身体を張ってでも護るってのも、まんまそれ。
アルテタは勝利よりも大事なものを死守するため、命をかけてそれを行っていると思うのです。
我々が昨日今日勝った負けたで喜んでいるのは単なる点でしかない。しかし、その点と点を紡ぎながら、アーセナルという概念は未来永劫続いてゆく。
その概念の継承者がアーセン・ヴェンゲルでありミケル・アルテタというのは、クラブにとって、そしてサポーターにとってどれほど幸せなことか。
俺はアーセナルで良かった。
この言葉、何度口にしたかわかんないけど、この契約延長に改めてそれを噛み締めた次第なのです。
さぁ「All or Nothing」最終章。
残り4試合、契約延長ブーストのかかったアーセナルのお手並み拝見。
アーセナルという最高のカタルシスを、魅せてもらおうではないか。
COYG
俺たちにはスーパー・ミケル・アルテタがいる!
We’ve got super Mik Arteta,
He knows exactly what we need,
Tierney at the back, Gabi in attack,
Arsenal gonna win the Champions League!
P.S.
実は一度、シンガポールのアジアツアーにて、キャプテン時代のテタさんを迎え、4、5人のグループインタビューに参戦させてもらったことがあります。
そこで真っ先に感じたのは、彼の誠実さ。部屋に入るなり自ら握手を求め、どんな質問にも目を見て真摯に答える。俺の「全く髪型が変わらないのは何故ですか?」というクソみたいな質問にも、感情剥き出しで怒ることもなく、笑顔で答えてくれるほどの人格者でした。
その時のやりとりがこちら。
猿「夢のような機会を与えていただき、本当にありがとうございます」
テタさん(一文字に口を結び、眼光鋭くじっと俺の目を見つめながらうなづくテタさん)
猿「あの・・・ちょっとどうしても聞きたい事がありまして。実は切実に悩んでいる事がありまして・・・」
テタさん(一瞬、ん?と眼光鋭く険しい表情になり、緊張と旋律が走る会議室・・・)
なんだ!俺は何かを踏んでしまったのか?踏んでしまったというのか!?・・・が、しかし、もう引き返すわけには逝くまい!ここで引き返したら負けだ!とにかく目をジッと見つめたまま、構わず続行。
猿「あの・・・実は最近、髪型がなかなか決まらなくてですね、それで、テタさんのセット方法といいますかアドバイスといいますか、もしよろしければどのようにしてその髪型をパーフェクツにキメていられるのか、あの、ムースなのか、ジェルなのか、はたまた、、、」
するとキャプテン、先ほどの厳しい表情から一転、ゴールを決めた時のようなテタさんスマイルで、
「そ、そ、それ、もの凄い聞かれるんだけどさぁ・・・もう坊主にすればいいんじゃないの!?カッカッカ」(一同爆)
一瞬にして氷解、安堵が訪れた小さな小部屋・・・。
俺が一生テタさんについていくと決めた瞬間なのでした。
コメント