ゴール裏の怪しげな黒づくめの集団なんですか?
太鼓でドンドコやってる集団の詳細教えてください。
最近めっちゃこの手の質問をいただきます。
これに関しては、ボリスタ様のウェブ版の方でもちらっと書かせていただいたのですが、今回ブログでも深掘りしてみたいと思います。
動画版はこちら!
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ゴール裏の怪しげな黒づくめの集団は何者か?
ゴール裏でドンドコやってる怪しげな黒づくめの集団はズバリ「アシュバートン・アーミー」というサポーターグループです。
エミレーツのクロックエンドと呼ばれるゴール裏、アウェイスタンドの隣にある「ブロック25」が彼らの活動領域で、前方5列20席、計100席がアシュバートンのエリアとなっています。
ちなみにクロックエンドとはハイバリー時代の時計を設置したエンドで、その直下にアシュバートンが陣取るBlock25があります(下記の紅白のコレオのエリア)。
彼らはここからエミレーツを盛り上げています。
名前の由来
「アシュバートン」という名前の由来は、エミレーツ・スタジアムが建設される前にあった通りの名前「アシュバートン・グローヴ」からインスパイアされたもの。
地図を見てもらったらわかるように、「ここに新スタジアムを建設なさい」ってくらい神に準備されていたかのように、奇跡的にここにスペースがありました。これも何かの運命です。
「アシュバートン・アーミー」結成のきっかけ
エミレーツ・スタジアムのホームサイドであるノースバンクには、レッドアクションというサポーターズグループがあります。特にBlock5は治外法権のオールスタンディング。
彼らはハイバリー時代からの筋金サポで、ノースエンド移住後も試合前のフラッグやチャントでエミレーツを盛り上げています。
そんな中「俺たちも何かしたい」という一握りの若いサポーターの発案で生まれたのがこのアシュバートン・アーミーです。
結成は2019年。ヨーロッパのウルトラからヒントを得たという彼らは、スタジアムを盛り上げたいという一心で「同じ志を持った人間が集まるエリアをどこかに設けて欲しい」とクラブサイドと交渉。
クラブ側もその熱意にほだされたのかどうかわかりませんが、Block25に約100席を用意。さらにドラムも特別に解禁し、現在のような形になっています。
そんな中どうしても手薄だったのがアウェイスタンドのあるクロックエンド。
アウェイサポが我が物顔で歌い狂うエリアだけに、なかなか盛り上げるのが難しい。そんなクラブ側の思惑とアシュバートンサイドの思惑が合致したのかもしれません。
ただ、クラブ側も得体の知れないヤングな集団をそう易々と受け入れるわけはなく、相当な話し合いが行われたと想定。
そもそもの発案が「海外のウルトラ」です。大陸のウルトラといえば基本問題を起こすためだけに結成されたと言っても過言ではない極悪集団。苦労に苦労を重ねてフーリガンを撲滅してきたイングランドのクラブが、そのようなサポーターの要求を唯唯諾諾と飲みこむわけがないのです。
最終的にはクラブサイドの厳しい条件を全てクリアし、このようなエリア開放となった模様。
当初Block25の後ろの方からスタートした席も、活動が認められ、今シーズンから、より聞こえるように、より選手に近い位置にということで現在の最前列に移動したようです。
確かに、昔は後ろの方にいたような気がする!
AA19への厳しい参加条件とは?
「AA19」という彼らのイニシャルは「アシュバートン・アーミー since 2019」から。
また彼らのロゴは2005年公開の映画「Vフォー・ヴェンデッタ」をモチーフにしたもの。
黒いユニフォームには不吉なニュアンスはなく、とってつけたような理由ではありますが、赤と白の中で目立つようにとの意図があるようです。
黒づくめな上に、アノニマスのアイコンでもあるので、マジガチの不気味さを漂わせていますが、それは見た目だけで、フードバンクなどのチャリティー活動等、品行方正な活動を行なっているようです。
参加条件は、90分以上歌い続けること。フラッグ、バナーのアートワーク、歌練、ミーティングなど、試合日以外の時間にも積極的に参加すること。結構厳しい条件にもかかわらず、現在は200人近いメンバーがいる模様。
年齢層も当初10代20代と若手で構成されていたものの、現在は賛同者も増え、色んな年齢層や国籍の人が手伝っているようです。
アシュバートン・アーミーまとめ
以上ゴール裏で「どんどん!」と鳴らしまくる黒づくめのドラム集団を深掘ってみましたがいかがだったでしょうか?
個人的には、90分鳴り物を使った単調な応援は好きではありません。
というか、「人力ステゴロ」で挑むのがプレミアの応援の魅力。
時折「死ーん」として、メリハリを付けることで「行く時は逝く」という選手のスイッチを押してあげるというのがサポの役目だと思っているので、90分永遠叩き続ける鳴り物だけは個人的には「ん?」とは思います。
とはいえ、明らかにクロックエンドの盛り上がりによってエミレーツが要塞化しているのは確かだし、彼らのテーマでもある「Mikel Arteta’s Army Allez Allez Allez」が浸透したのは彼らの功績でもあるので、これはこれでリスペクトする部分はあると思ってます。
つーわけで、百歩譲って鳴り物はいいけど、90分永遠ではなく、肝心なところだけ鳴らしてもらうってのが個人的な理想です。
ちなみに彼らの溜まり場は老舗のガナパブ「イーグレット(The Eaglet)」。
このイーグレットはおじさんしかいないパブなんですが、そこが新たなヤングナの溜まり場になっているってのもまたいい流れのような気がします。
というわけで、もし入団希望の方がいれば是非行ってみてください。
エミレーツ要塞化5つの理由
エミレーツ要塞化5つの理由をフットボリスタ様のWeb版に奇行させていただきました。
よろしければ是非!
【NEW】あの冨安チャントも必然だった。アーセナルのホーム、エミレーツが要塞化!5つの理由 (文 さる☆グーナー@saru_gooner)https://t.co/usCuhD2l2Y
— footballista (@footballista_jp) February 28, 2023
これまでアーセナルには(中略)いわゆる“リバプールのユルネバ”的なものは存在しなかった。しかし今回、ついに「見つかった」。それが…
↓また「アシュバートン・アーミー」の動画はこちら
コメント
…例えば私は、アーセナルの試合の前に他所のゲームは(Jリーグは別…多分そのおかげで正気を保っていられる)見ないという抑圧を自分にかけている。
抑圧は感情の暴走を招く。チームに対する忠誠心を選手、監督以上に持っていると示そうとしてしまう。
ピッチ内はすでに、良い方向に動いていると思う。フラム。そのサッカーにやや疑問があるものの、フェアであり敗北を受け入れた態度には好感が持てた。
リネカー氏に関する騒動。最終的に民主主義国家の手本となった。
薄気味悪い程の沈黙は何かを発表した時、その意味や価値を下落させる。
今私達は、声の揚げ方をサッカーから学んでいる。