デクラン・ライスは£100m+£5mのアドオンで概ね合意、あとは調整が大詰めという中、実際どのような調整が必要なのか?
というところで言及されているのがこちら。
🚨 West Ham want the guaranteed portion of the Declan Rice fee paid by the start of 2025, preferably in two instalments. It is understood that Arsenal want to pay the fee, which exceeds West Ham’s £100m valuation for the player, over a five-year period. [@SamiMokbel81_DM] #afc https://t.co/cUsgHgLkEw pic.twitter.com/8EXKgpLdxP
— afcstuff (@afcstuff) June 28, 2023
ウェストハムは£100mを2025年までの2回分割を希望しているが、アーセナルは5年分割を望んでいる模様。
これを受け、先日こんな投稿。
すると、この投稿に対しこんな引リツをいただきました。
グーナーってなんでこんな他クラブをやんわり落とすような言い方しつつ自分たちは弱者アピールするの好きなの?w
んで「そんなつもりないけど?」感だすのが流れ
ライスおめでとう
え!?ちょいちょいちょいちょい!
むしろこれは「自クラブをガッツリ落とすような言い方」であって、
全く「他クラブをやんわり落とすような言い方?」なんてしたつもりもないし、ガチで落とすつもりなんて微塵もありません!(きっぱり)
てかマジでアーセナルは虫ケラ同然の圧倒的弱者だし、
実際問題、シティなんて一撃で出せるでしょこんな額、アーセナルと違って!!
何故そう言い切れるのか?
それには、全グーナーがトラウマとなっているあの事件がかかわっているわけですが、、、
というわけで、こんなリプを返させていただきました。
もしやそなた£1交渉ってご存知ない???
今や語り草となっている、伝説のルイス・スアレスの1ポンド交渉事件です。
しかしこの一連の流れを見た良識あるグーナーの方から、
「£1交渉ってなんですか???」
という質問が多数寄せられました。
それは大変!?
これはグーナーのたしなみとして、絶対知っとかなきゃいけない案件!
というわけで、今回は、アーセナルの歴史を彩った、伝説の「ルイス・スアレス 4000万+1ポンド事件」についてお話してみたいと思います。
これを知った上でアーセナルの移籍市場を見れば、まるで違った景色が見えてまいりますので、今回は是非、海馬に刻んで帰ってください。
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ルイス・スアレス 4000万+1ポンド事件とは?
2011年夏、アーセナルはサミル・ナスリとキャプテン、セスク・ファブレガスを失い、その翌年にはまたもキャプテンだったロビン・ファン・ペルシーとアレックス・ソングがさくっと移籍。
度重なる主力の離脱ということもあり、2013年夏、アーセナルはついに本気出す!ということで、リバプールの噛みつき王子こと、ルイス・スアレスにロックオンします。
スアレス自身もそろそろ環境を変えたいなぁと思っていたタイミングだったこともあり、久々のビッグサマー実現の空気感はあったような気がします。
そんな当時のスアレスには、4000万ポンドの契約解除金が設定されていると報じられていました。
そこでアーセナルは4000万ポンド+アルファを掲示しエースの引き抜きを図ります。
しかしこの「+アルファ」が、世界を震撼させることになるとは、アーセナルのフロント陣は誰一人として予想だにしていなかったことでしょう。。。
そしてそれこそがこの事件の肝となるのですが、
その際アーセナルが、4000万ポンドに上乗せした金額というのが、、、
1ポンド。
当時のレートで約136円。
アーセナルは総額 4000万+1ポンド という「ふざ額」で入札を行ったのでした。
当然これに激怒したのがリバプール上層部の皆さん。
特にオーナーであるジョン・ヘンリーさんは自身のTwitterで、
What do you think they’re smoking over there at Emirates?
— John W. Henry (@John_W_Henry) July 24, 2013
「アイツらはエミレーツで草でもやってんのか??」
という名言を残し、ちゃぶ台を盛大にひっくり返し、この交渉は秒で御破産となったのでした。
ちなみにここでいう「草」は「www」ではなく、吸うと気持ち良くなる薬草のこと。
1ポンドに笑い、1ポンドに泣く。
それがアーセナルというクラブ。
シティがそんなしょーもない交渉しますか?
って話で。
他クラブをやんわり落とす?
ノンノンノンノン!!
自クラブを全力だよ全力!!!
という意味を、なんとなくお分かりいただけたでしょうか。
4000万ポンド以上でオファーしてみた
実はこの1ポンド事件には、諸説あります。
それが、ヴェンゲルの自叙伝『My Life in Red and White: My Autobiography』にあった記述。
それが、スアレスの代理人が主張していたとされる、
「4000万ポンド以上でようやく話し合いに応じる」
という謎の条項。
これを吹聴していたのが、ペップの実弟でもあるスアレスの代理人、ペレ・グアルディオラだったらしいのですが、
普通に考えればそんな条項ありえねーし、「これってあれでしょ?釣りでしょ??」ということを薄々わかったうえで、
我らがアーセナルは、
それが本当かどうか、試しに4000万ポンド以上でオファーしてみた。
これを従順に実行。
それが例の4000万+1ポンドだったというわけです。
つまりこれ、クラブレベルで行った、YouTuberの「やってみた」的なやーつ。
いや、やってみたのが2013年。YouTuberがやってみる前に既にやっていたわけだから、アーセナルは「やってみた」のパイオニア戦士なわけです。
ボスも自叙伝の中で「あの時のやり方は盛大にミスった」と猛省しているわけですが、俺の純粋な心には、ズンドコアーセナルを象徴する出来事として、トラウマレベルで刻み込まれたのでした。
まとめ
以上が「ルイス・スアレス 4000万+1ポンド事件」の真相ですが、いかがだったでしょうか。
最近わりとまともな立ち振る舞いをしているとはいえ、それでも常にどこか危うい感じを漂わせている、これこそが、脆く儚いズンドコクラブ、俺たちのアーセナル。
ビッグクラブで、こんな人間味あるクラブ他にあるか?って話で。
俺はこの交渉を知った時、ますますアーセナルが愛おしくなり、「このクラブは俺たちが一生支えていかなきゃいけない!」と強く心に誓ったのです。
何事もAIのようにこなしちゃうパーフェクトなクラブなんてつまんないつまんない!
もう、隙しかない!隙しかないんだから。いろんな意味で最高なんだよアーセナルってやつは!!
というわけで、
最後にもう一度言います。
俺が全力で落としてるのは他クラブなんかじゃない。自クラブである!
そしてこれからも俺はこの隙の中を存分に泳いで逝くのです。
ご清聴ありがとうございました。
P.S.
この事件の数ヶ月後、アーセナルクラブ史上最高額となる4240万ポンドでメスト・エジルを獲得、やんわりビッグサマーを実現してしまうのです。
コメント
寝かせてるだけでも億。運用に対する考え方の違い。
価値を国ぐるみで落とし、ロ……シティが営業。全部サッカーが悪い、と思っているかもしれない。
サッカーチームをシティという英国風ギャグ。…期待通りなのでは。
ベンゲルはスアレスにエールを送った。リバプールの反応こそ、その必要性の証明。スアレスに届いてはいた。色々残念だったが、この道を進むしかない。
1kloa4