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「偉大なるアニキ」グラニト・ジャカ退団に際し

来たる者あれば去る者あり、それが世の常というもの。

ライス炊き上がり目前の中、俺たちのアニキ、グラニト・ジャカがついに公式です。

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グラニト・ジャカ 7年間のアーセナルの旅に終止符

グラニト・ジャカが、7年間のアーセナルの旅に終止符です。

行き先はブンデスのレヴァクーゼン。

2012から16までボルシアでプレーしていたジャカにとっては古巣のリーグとなります。

レヴァクーゼンの監督って、テタさんの盟友シャビ・アロンソなんですよね。

その辺も含め、俺は安心してる。

背番号も慣れ親しんだ34番。

この34はプロとして初めて背負って以来、バーゼル、ボルシア、アーセナルと共に戦ってきたナンバー。とにかく一筋な漢でした。

そんな漢との別れを惜しむようにSNSは悲哀と感謝の言葉で溢れ、ジャカ愛で埋め尽くされるなど。

それほど愛されていた元キャプテンですが、再びその信頼を勝ち取るまでには紆余曲折がありました。

ジャカとサポの間に何があったのか、事の経緯をざっくり。

ジャカとサポの和解

2019年10月27日エミレーツで行われたクリスタル・パレス戦でそれは起きました。後半61分、途中交代を告げられたジャカに対し湧き上がるブーイング。

その場にいた個人的感想としては、「プレーで精彩を欠いたジャカをディスる」というよりは、負けているのにすぐピッチを出ようとしないジャカに対し「ちょいちょいちょい何やってんの!お前キャプテンだろ!早く交代して点取り行こうぜ!!」的なニュアンスのブーイングだった気がします。

しかしブーイングを受けたジャカはキャプテンマークをピッチに投げ捨てグラウンドを後に。その後エメリにキャプテンマークを剥奪され(俺はジャカ自ら「俺はこれ以上巻けない」と断ったと推測)1月退団の方向で話は進んでいくのです。

ところが、2019年12月アルテタが監督に就任することで、事態はまさかの展開を迎えます。

新監督アルテタがジャカと膝を突き合わせ「君は絶対に必要な人材だ。俺に半年だけ時間をくれ。それで納得できなければ辞めてもらって構わない」とジャカを真正面から説得。

荷物もまとめ、パスポートを持って飛び立つ寸前だったというジャカは、その熱意にほだされ残留を決意するのです。

ジャカがキャプテンマークを投げつけたことに関しては、実は伏線がありました。後に彼はこのようなコメントを残しています。

自分の交代の際に起きたあの出来事は深く俺の胸を切り裂いた。俺はクラブを愛しているし、常に100%捧げるつもりでピッチに立っているからだ。

だがファンに理解されないという気持ち、そしてこの数週間、数ヶ月に渡り繰り返される試合でのヤジやSNSでの誹謗中傷に正直心身ともに限界だった。

例を挙げれば「お前の脚折ってやろうか」や「お前の妻を56す」、そして「お前の娘がガンになればいいのに」など数え上げればきりがない。

そんな積み重ねがあの日沸点に達し、あのような軽率な行動をするに至ってしまった。

故にクラブやチーム、そして俺を純粋に応援してくれている人間をも軽視することになってしまった。正直そういう意図はなかったが、もしそう感じさせてしまったとしたら正直スマンと思っている。

これは「俺のことはいいが家族のことは違うだろ!」っていう、ガーシーに通づるやつ。

ジャカのとった行動は軽率であったことは間違いありませんが、このような経緯があったことだけは是非覚えておいて欲しいのです。

そしてSNSによる被害はジャカだけじゃない。ムスタフィも誹謗中傷から一気に調子を落としスタメンを外れた一人。

個人的に、フットボールはフィジカルだけでなく、メンタルも相当なウェイトを占めるスポーツだと思っています。そんな選手が病んでしまったらプレーなんてまともに出来るはずがないって話で。

そんな経緯からサポーターとの間にずっと潜み続けたわだかまり。

しかし彼は、再び俺たちのもとへ帰ってきた。不屈の闘志と献身的な愛をひっさげて。

アルテタのもと Box to Box の戦士として覚醒。前線から背中でチームを牽引。

実は2017年の段階で、ジャカはこう語っています。

自分は偽10番と言えるかも。もしくはずっと後ろでプレーする10番。自分には2面性があると思う。自信を持ってるスキルもあるけどファイターとしても尽くすよ。

アルテタは彼のそんな特性を見抜き、見事活かしきった。そんな彼の復活劇はまさに、アルテタの慧眼、そしてジャカ本人のマインドチェンジによるもの。実際今季一枚も赤紙をもらわなかったのがその証。

そんな彼をサポも快く向かい入れ、8月のボーンマス戦ではついに新たなチャントも発動。

大一番のチェルシー戦の後には、大車輪のジャカを称えるチャントがいつまでも南ロンドンにこだましたのです。

そして最終節は2ゴールで最優秀選手に選出されるという大団円を自ら演出。

スタンドも、始まりから終わりまで、気づけばジャカのチャントを全力。

おそらく最後となるであろう彼との時間を全力で愉しみ、そして惜しんだのでした。

最終節大枚叩いて優勝を見に駆けつけたヤスコさんも、きっと大満足だったはず!

ジャカのベストシーン

ジャカといえば、あんなジャカ砲やこんなジャカ砲が思い出されますが、

でもやっぱ、1番の想い出はこれだなぁ…

1月のノーロンアウェイで行われた漢気コント。

アーセナルが2-0快勝した際、ラムちゃんがイキり散らかした鶏サポに蹴られるという大事件が勃発したわけですが、その後テタさんはラムちゃんを抱えるように我々スタンドへ笑顔で誘導。

しかし取り残されたテスコが鶏の選手に囲まれているのを見つけたジャカが、脇目もくれずいちもくさんに向かっていきます。

それを見つけたテタさんが「待て待て待て待て!!!!」と追いかけるというコント。

これめっちゃ既視感ある…。

と思っていたのですが、わかりました。

そうだ。これは「東京03」の秀逸なコントだ。

激怒した角田をなだめるそばから、今度は激怒しながら何かに凸っていく豊本を、また慌てて止めにいく飯塚感。

笑いとは、緊張と緩和。

そして緊張と緩和しかない、それがアーセナル。

そんなアーセナルにおいて、テタさんとジャカは最高の演者であることを実感した瞬間なのです。

ちなみに俺がジャカをアニキと慕う理由はもうひとつ。

出待ちで、ジャカの付き人的な人から「冨安ブラザー」認定をいただいたのもいい想い出。

冨安のブラザーってことは、ジャカはもはや物理的にアニキでしかないのです。

ジャカ最後のメッセージ

そんなジャカから最後のメッセージです。

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ガナーズ、それはオレにとって素晴らしい旅だった。

アーセナルで過ごした7年間。このクラブはオレの人生の中でも重要な一部だった。故に離れるのは決して簡単な決断ではなかった。だが今こそが、新たな旅を始めるのに適切な時だと思った。

監督、チームメイト、そして裏方のスタッフ、感謝しなきゃいけない人間はたくさんいる。

でも特にサポーターのみんなには心から感謝したい。我々が厳しい時期を乗り越えてきたことは誰もが知っていると思う。FAカップで優勝したとき、そして皆がオレのチャントを歌っているのを聴いたときは鳥肌だった。

あの感動は一生忘れない。

オレはこれからも、アーセナルを胸に生きていく。

Once a Gunner, Always a Gunner.

一度赤いシャツに袖を通したら、一生アーセナルだ。

ありがとう

ジャカ退団理由の報道でちょくちょく耳にするのが「ライスが来るから出番が減る云々」というもの。

だが俺はそうは思わない。

退団寸前だった彼がアルテタと契りを交わし、そして成し遂げたCL復帰という大仕事。

「俺の仕事はここまで。後はお前らの力で勝ち獲ってこい!」

それがグラニト・ジャカという漢。

昨季退団を囁かれる中、一年残留してくれたのがその証。

我々は偉大なるアニキを失った。

しかしこの世は、さよならだけが人生だ。

闘魂伝承。

アニキが遺した魂(だましい)を胸に、我々は前進するだけなのだ。

それこそが、偉大なる裏キャプテン、グラニト・ジャカへの最大の恩返し。

Granit Xhaka, We’ve got.

俺たちの胸には、グラニト・ジャカがいる。

偉大なるアニキの、新たなる旅立ちに幸運を。

コルニー ジャカ

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妄想記事を描いている猿

アーセナルのせいで日本に帰国できなくなった非国民、出家信者。「妄想8割・ガセ2割」をモットーにアーセナルのエア情報を垂れ流す意識低い系ブロガーとして、日本人グーナーのメディアリテラシー向上に貢献すべく、ほぼ毎日ブログを更新中。

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Arsenal (アーセナル) 猿のプレミアライフ

コメント

  1. じまやん より:

    素晴らしい内容ッス!

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