ロシツキーが自身の怪我、そして現在について語っていました。
( The Athletic )
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ロシツキーの思い出のシーズン
ロシツキーが初めてプレミアリーグタイトルに近づいたのは2007-08シーズンだった。
みんな仲良かったね。メンタル的にもやりやすいし、互いにフォローしあえる。素晴らしいチームだったし、良いシーズンだった。あの出来事が起こるまではね。
その一方で、僕も1月に怪我をして最悪の時期だった。その後、ファン・ペルシーも怪我をして、エドゥアルドも足を壊して、最後まで戦うだけの余力がなかった。
その後数年の間に、次々と仲間が去っていって…。
もしリーグ優勝していたら、もっと多くの選手が残っていたと思う。ロビン、フラミニ、ジウベウト、クリシー、セスク。彼らと一緒に戦えたら、最高のチームだったと思う。
怪我についても話さないといけないね。それは自分の物語の一部だからね。
怪我について
2008年1月、3-0で勝利したフラム戦で彼は膝に違和感を感じた。
プレー中蹴られたんですよね。違和感はありつつも、その試合は無事終えることができて。
その試合でロシツキーはアーセナルの決勝ゴールを決めている。次の試合はFAカップでニューカッスルとの対戦。前日のトレーニングを評価され先発出場を果たした。
開始10分くらい、最初のスプリントで、あ、無理だ…って気づいて。
膝の靭帯断裂、全治18ヶ月の大怪我。
手術しても、上手くいかなかった。リハビリしてもスプリントが出来なくて、心が折れかかった。
難しい時間でしたね。2008年はリーグ優勝の可能性があったし、夏にはユーロもあって、チェコの代表キャプテンとして出場する予定だったけど欠場することになって。突然出口のないトンネルの中に迷い込んでしまって、かなりキツい状態で。
家族だったり、周りの人間にとっても難しい時間だったと思う。彼らはなんとか助けたいと思っても、自分はそういう問題に巻き込みたくなかったり、放っておいて欲しかったり。あの時期は、周りの人間にも迷惑をかけたと思いますね。
医師には、もうプレー出来ないかもしれないと言われました。
でも僕もまだ27歳で、フットボール選手としては最高の時期。それを聞いた瞬間真っ白になってしまって、その後のことはあまり覚えてないですね。正直突然人生が終わりを迎えたような感じで。
でもその時ですね。トンネルの中で光が見えたら、それを一直線に目指すということも学んで。絶対に復帰してトロフィーを勝ち取る。そのためには全力で怪我を治す。そういう気持ちの変化や目標がなければ、決して復帰することは出来なかったと思います。
ロシツキーは、ドイツのアウグスブルクの外科医を訪れる。結果それが彼のキャリアを救うことになる。
身体の中で異常な量の瘢痕組織が生成されているというので、それらすべてを一掃する手術を受けました。
その後ロシツキーはトップレベルでのプレーに復帰したが、長期休養ということもあり、必然的に軽い筋肉の損傷に苦しみ始めた。
それは自分の選手の歴史にも関係しているかもしれないですね。若い頃から、小柄な身体でフィジカル面で厳しい戦いを続けてきたからね。そういう積み重ねが、年を重ねるごとにダメージが出てきて。
それと2008年の怪我は自分のキャリアMAXのところでの怪我でしたからね。それまでは常に自分で決めてやる!という気持ちでプレーしていたけど、復帰後はなかなかそれが出来なかった。
でもこの怪我は、僕に新たな視点を与えてくれましたね。それ以降は、すべての試合を最後の試合の気持ちでプレーしてました。
移籍しなかった理由
彼には何度か移籍のチャンスがあったが、そうすることはなかった。
何かを勝ち取るまでは移籍しない、そういう気持ちでやってました。友人たちが去り、チームに変化が起きている大変な時期に、やり残したくなかったし、悔いを残したくなかった。
そして2014年FAカップ決勝、彼は途中交代で出場し、ついにタイトルを獲得した。
最後の頃はほとんどプレー出来なかったけど、僕がここを離れることが決まった時、ヴェンゲルがここに残ってはどうかと声をかけてくれて。
でも僕は地元スパルタに戻ることを心に決めていました。
僕が始めた物語を終わらせるために。
そして現在ロシツキはスパルタでスポーツ・ディレクターを務めている。そして彼はアーセナル時代と同様、目標を達成するまでチームを離れることはないようだ。
まだやり残した仕事があるんです。
僕たちの共通の目標。
それは、スパルタをチャンピオンズリーグに戻すことです。
ロシツキーの思い出
ロシツキーほどチームに寄り添ってくれる選手は、なかなかいなかったような気がするなぁ。
それはファンに対しても同じで。
キッズ相手に、こんな顔でファンサしてくれる選手を俺は知らない。
それはアーセナル退団セレモニーのこの表情に全て詰まってる。
エミレーツの空気と想い出を目一杯吸い込んで。
そして彼は、全ての人に愛される稀有な選手でもありました。
ロシツキ最終節、ゴール後、ベンチに座るロシツキーにみんな駆け寄って、
プラハで行われた引退試合でもこんな感じで…
ベナユンの笑顔なんて俺初めて見たよ!
でもそれがトーマス・ロシツキーという選手。
かの偉大なる監督ヴェンゲルはこう云いました。
If you love football, you love Rosicky.
フットボールの神に愛された漢、ロシツキの旅はまだまだ続くのです。
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