エミール・スミス・ロウ 旅立ちの時。
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アーセナルNo.10 エミール・スミス・ロウ退団
スミス・ロウの退団がついに公式から発表されました。
Thank you, Emile ❤️
— Arsenal (@Arsenal) August 2, 2024
移籍先は南ロンドンのフラム。
2029年までの5年契約+1年の延長オプション付き。背番号は32。
⚪️⚫️ Official, confirmed. Emile Smith Rowe signs in as new Fulham player on £27m plus £7m add-ons deal from Arsenal.
“Listening to the project, speaking to the Manager, I think it’s an exciting project for me, and definitely the perfect step for my career going forward”. pic.twitter.com/43TjxJZsQW
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) August 2, 2024
ロマーノ神によると移籍金は£34m(£27m+£7mのアドオン)。これはフラムのクラブ移籍金最高額であり、アーセナルにおいても、サンチェス、チェンバレンの£35mに次ぐ最大規模の移籍。
チェンバレンの後何やってたんや!!
っていう話はこの際置いといて、
これはスミスロウを最大限評価してくれた、フラムの誠意の表れだと思います。
そしてもう一つのプラス材料はフラムとの関係。
現在フラムにはGKレノ、イウォビ、ウィリアンと3人のアーセナルOBがいます。特にイウォビは8歳からアーセナルのアカデミー、ヘイルエンドに所属しており、スミスロウの良きパイセンにあたり、チームにはすんなり溶け込めそうです。
スミスロウとアーセナルと
南ロンドンのクロイドン出身のスミスロウは10歳の時アーセナルのアカデミーであるヘイルエンドに入団。すぐに頭角を表しユースのエースに。16歳の時にはU-23に初出場していることを考えても、その期待値のほどがわかるというもの。
2017年7月17歳でプロ契約。その翌年新たに5年とも言われる長期契約を結び、夢の実現にまた一歩前進。
そんな中、語りぐさとなっているのが、2018年1月のU-23サンダーランド戦での、ロベカルも舌を巻く、この時空を歪めたようなわけわっかんねぇゴール!
Great 3-1 win today vs Sunderland! Happy to get another goal!✅ @Arsenal pic.twitter.com/APnQImNBDS
— Emile Smith Rowe (@emilesmithrowe) January 28, 2018
こんなの見せられたらさ、こちとら夢しか見れないっての!!
そんなアカデミーでは手を余すようなスキルを引っさげトップチームに昇格。
その後も着実に歩を進め、2018年9月にELヴォルスクラ・ポルタヴァ戦でイウォビに替わりトップチームデビュー。2000年代生まれの選手として初のクラブデビューを果たします。
さらにその翌月、ELアウェイのアゼルバイジャン・カラバフ戦で初ゴール。チェンバレン以来となる公式戦でのアーセナル最年少得点者となり、3-0の勝利に貢献。
Arsenal goals against FK Qarabag:
Monreal ➡️ Sokratis ⚽️
Iwobi ➡️ Smith Rowe ⚽️
Lacazette ➡️ Guendouzi ⚽️#afc pic.twitter.com/UuZXVrZrnL— afcstuff (@afcstuff) October 4, 2018
2019年1月からブンデスのRBライプツィヒに短期の海外武者修行。2020年にはチャンピオンシップのハダースフィールドに移籍しリーグ戦19試合に出場、2ゴール3アシストを記録。ハダースフィールドの残留に大貢献するなど、着実に大人の階段を昇っていきます。
武者修行でしっかりと地固めを行ったロウは20/21シーズンから本格的にトップチームに参戦することになるのですが、
このシーズンです、俺たちがスミスロウにひれ伏すのは!!
時はコロナのど真ん中。12月26日のボクシングデイ、無観客試合で行われたチェルシー戦。
それまでの戦績がマジ地獄。
4勝8敗2分で15位。
しかも直近ユナイテッド戦以降7戦勝ちなし!
そんな中行われたのが、文字通り我々の運命を左右するチェルシーとのビッグマッチだったのです。
まさに、一寸先はハプニング。
これ落としたらまたズルズル逝っちゃうであろう、とんでもなく重要なクラブの分岐点でトップ下に大抜擢されたのが、怪我明けのスミスロウでした。
夢しかない三羽烏…
このシーズンは、開幕から11戦、股ぐらの怪我でベンチにも入れず。
スミスロウ的にも全く明るい未来が見えない、まさに背水の陣で臨んだこの死合でした。
しかし、そこで、
32番スミスロウが躍動!!
あの宇宙王者チェルシー相手に3-1大勝利、無勝を7でストップ。
そこからアーセナルは一気に息を吹き返し、リーグ戦ではユナイテッドと引き分けるまで5戦4勝1分。
その間スミスロウも3アシスト、FAカップのニューカッスル戦でもゴールを決めるなど、アーセナル復活の立役者となるのです。
それまでも度々大器っぷりを魅せつけ、周囲の期待を一身に受けていたスミスロウでしたが、長引く怪我の影響もあり、中々限界突破することが出来ないもどかしい日々が続いていました。
しかし背水の陣で臨んだこのチェルシー戦こそが、このアーセナルで自身の殻を破った瞬間だったように思います。
そして、
よくここまで来た!!
画面越しに、そんな気持ちだったのを昨日のことのように覚えています。
てかおせーよ…!
お前ならもっと早く来れたのに…
怪我さえなけりゃ…
どこかそんな気持ちも…
そして迎えた21/22、このシーズンがスミスロウ史上一番輝いていたシーズンでした。
2021年7月エースナンバーである10番を襲名。
この10番は、ベルカンプ、ギャラス、ファン・ペルシ、ジャック、エジルと引き継がれてきた、由緒正しきアーセナルの正統後継者。
ベルカンプを継いだギャラスについては賛否(ほぼほぼ否)ありますが、これはあえてギャラスが汚れ役を担ったと言われたり言われなかったりしています。ベルカンプ先生の後を直でストライカーが引き継ぐとプレッシャーがデカすぎて潰れるのを防ぐため、ここにワンクッションを置いたという逆事故物件みたいなシステム。
それはさておき、
このスミスロウの10番襲名は、アーセナルDNAのジャック以来のヘイルエンド出身ということで、クラブ的にも期待値MAXであったと容易に想像できるし、サポーター的にも久々純粋培養の10番ということでマジアガったのは言うまでもなく。
その証拠に、「シーズンで一番No.10のシャツが売れた!」とショップスタッフが言うくらいの人気でした。
それくらい誰もが納得し、歓喜したスミスロウの10番襲名。
そして誰もが真っ先に思い出すのがこの試合でしょう。
ホームエミレーツで行われた9.26ノーロンダービー。
この試合こそが、これまでおぼろげながら見え隠れしていた、アーセナルとスミスロウの道筋に光を当ててくれたような気がします。
スミスロウの先制ゴール、ワンアシストで快勝。
Made in Hale End ❤️@emilesmithrowe 🤝 @BukayoSaka87
🙌 @ArsenalAcademy pic.twitter.com/9pzR2H4PxS
— Arsenal (@Arsenal) September 27, 2021
ノーロンということもあり、そらぁ当然エミレーツは爆上げですよ。
Saka and Emile Smith Rowe♪のHere we go!チャントが生まれたものこのシーズンで、
この試合同じくゴールを決めたサカとの両輪で俺たちは戦っていくのだと、そう強く心に誓えた、そんな試合でした。
このシーズンは、全大会で37試合に出場し11ゴール2アシストと自己最高の成績で終了。当時ヘイルエンド出身での2桁得点は、セスク・ファブレガス以来という記録を打ち立てるなど、意気揚々次のシーズンに臨めるはずでした。
しかし、神様とは天邪鬼なものです。
待ち受けていたのは怪我の再発。持病であった鼠蹊部の悪化により長期離脱。
22/23シーズン出場したのはリーグ戦ではわずか12試合。しかも各試合約15分ほどのプレーしか出来ず、40分以上プレーしたのはわずか1試合のみ。
昨季は鼠蹊部の怪我から復帰したものの新たに膝を痛め、ウイングではガビー、とろサーモンとの熾烈なポジション争いや、IHでも幅さんの二番手となり出場機会が激減。ベンチに座ってもなかなか出番が回ってこず、今回の決断に至りました。
スミスロウ退団に思うこと
アーセナルとは、選手の意思を尊重する、おぎやはぎマインドを持ったクラブです。
「選手が出ていきたい」と言えば、お前の好きにやらせてやりてぇんだよなぁと、選手に寄り添う。
今回のスミスロウもそうでした。
Arsenal’s sporting director Edu had been negotiating the sale of Emile Smith Rowe from the club’s Los Angeles hotel, with the last few days of talks centred on the schedule of payments.
Smith Rowe left the Arsenal camp on Sunday morning. In the end, he expressed his wishes to… pic.twitter.com/T8FQLt4o1H
— afcstuff (@afcstuff) August 2, 2024
最終スミスロウはフラムへの移籍を希望し、アーセナルはそれを尊重した。
エミールは24歳。
アーセナルでは計115試合出場、18ゴール13アシスト。
まだまだこの記録を伸ばせる選手。
そして本人はイングランド代表も狙いたい。
となれば、出場機会を求めるのは当然のこと。
しかし熾烈を極めるアーセナルにおいて、コンスタントに出場出来るのか?
を考えた時に出した答えが、今回の移籍ということです。
この移籍で一番胸が締めつけられているのは、スミスロウ本人だと思います。
そらそうよ。
10歳から育ってきたクラブで、夢の10番を付けたんだもの。
悩んで悩んで悩んだあげくの決断だったと思う。
でも人生は短い。
選手人生なんてさらに短い。
そんな中で悩みに悩み抜いたであろうスミスロウの決断を、俺は最大限リスペクトしたいと思うのです。
俺たちの10番の新たな旅立ちに乾杯。
そして圧倒的感謝を。
本当に、ありがとう。
その夢、必ず掴み取ってこいよマジで!!
そしてフラムの皆さん、
俺たちの子を、どうぞよろしくお願いします。
From Hale End to the first team. 55, 32, and then our number 10.
Once a Gunner, always a Gunner.
Thanks for the memories, Emile ❤️ pic.twitter.com/lgWWKHJfIL
— Arsenal (@Arsenal) August 2, 2024
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